わずか5分で3失点し逆転負けを喫したベガルタ仙台渡辺晋監督(44)は「ちょっと理解しがたい結果になってしまった」と声を振り絞った。イレブンも悔しさをあらわにした。

 前半ロスタイムにMF三田のスルーパスをペナルティーエリア内に走り込んで受けたMF中野が、中に折り返し、MF野津田が先制弾を決めた。後半15分にはDF蜂須賀の右クロスをFW石原が頭で合わせ、2点を奪った。

 だがその後は攻め手を欠いた。引いて守るようになり、川崎Fの反撃を受けた。すると終盤、ペナルティーエリア手前からの3本のミドル弾を、わずか5分で許した。逆転負けの原因を追及された指揮官は「原因は、あの5分の前ではないか」と指摘した。

 チームは8日に同会場でのルヴァン杯準決勝第2戦で、0-2で迎えた後半の立ち上がりに数的有利になったものの攻守のバランスが崩れ、川崎Fに1-3と敗れていた。今回は前回と異なり、前半に数的有利になった。指揮官によると、ハーフタイムで選手たちは「慌てずにしっかりとボールを動かして攻めていこう」と、話していたという。だが実際の姿は180度違った。「あまりにもゴールに向かわない。意識も、動きも、パスも。なぜあそこまでプレーが後ろ向きになったのかが、一番理解しがたい」と首をかしげた。

 古巣対決3連戦の最終戦が逆転負けに終わった、中野は「この前(8日)も10人の相手。何も改善されてない。相手が本気で来たときにボールを保持できない。1対1で負けてしまった。(1点目を挙げたDFエウシーニョへの自身の寄せは)遅れたと思います。自分のところからやられた。反省しないと」と悔しさをにじませながら、会場を後にした。