清水エスパルスの副主将トリオが、今日21日アウェー仙台戦で復活する。小林伸二監督(57)が20日、長らくケガで離脱していたGK西部洋平(36)と、MF河井陽介(28)のメンバー入りを明言した。DF犬飼智也(24)もリーグ19戦ぶりの先発が濃厚。主将のFW鄭大世(33)は負傷離脱したが、3人がJ2降格危機の中でチームをけん引する。

 つかの間の青空が広がる中、練習を終えた西部の表情は引き締まっていた。報道陣を前にすると「1年半ぶりですね」と切り出した。

 公式戦のメンバー入りは、右大腿(だいたい)直筋を負傷した昨季4月3日熊本戦(2-0)以来566日ぶりになる。長期離脱を経て、練習やサテライトリーグでのアピールが実った。チーム最年長のベテランは、常にチーム最優先だ。「(仲間の)近くにいることで、言いたいことを伝えやすい。流れを変えるきっかけを作りたい。必ずいい方向に持っていきます」。チームは、J2降格ライン16位広島と勝ち点2差。崖っぷちの中、小林監督は、リーダーシップに優れた西部を頼りにしている。「コーチングが的確。細かな部分で(チームを)勇気づけられる」。

 河井は、29試合ぶり今季2度目のメンバー入りだ。今季開幕戦2月25日ホーム神戸戦(0-1)で左アキレスけんを断裂。長いリハビリを経験した。「久々なので楽しみ。自分の役割で、貢献したい」。

 今こそ、チームが1つになる時だ。MF杉山浩太(32)が今季限りでの引退を表明した。セレモニーがある11月26日ホーム新潟戦までに残留を決めるには、今月アウェー2戦で連勝が求められる。先輩の西部は言った。「気持ちよく送り出せるように、(残留を)確定させたい」。

 鄭は負傷、DF松原后(21)を出場停止で欠くが、先発出場が濃厚なFW北川航也(21)が「目の前の一戦を全力で臨む」と燃えている。仙台には今季公式戦2敗。アウェーでは14年以降公式戦勝ちなしだが、求めるのは白星のみ。チームを思う心を1つに5戦ぶりの勝利を目指す。【保坂恭子】