2位川崎フロンターレがガンバ大阪を1-0で下し、逆転優勝に望みをつなげた。

 4日のルヴァン杯決勝でタイトルを逃した悔しさから立ち直り、90分で25本のシュートを打つなど攻守で圧倒。GK東口の好セーブに阻まれ続けたが、後半37分にセットプレーから均衡を破り、底力を見せつけた。今節を消化して試合のなかった首位鹿島との勝ち点差を4に縮め、優勝決定を持ち越した。鹿島は次節の26日に柏に勝利すれば連覇が決まる。

 川崎Fが初タイトルに食らいついた。前半だけで11本のシュートを放つも、G大阪GK東口の好セーブにはね返された。エースFW小林も1対1の場面で阻まれ「後半30分過ぎにさすがにやばいなと思った」と本音を漏らしたほど。だが後半37分、10本目のCK。MF中村のキックをMF家長が頭で流し、こぼれ球をDFエウシーニョが押し込んだ。守備でも前線からプレスをかけ、シュート数は25対1。小林は「攻守の切り替え、球際、すべてで相手を上回っていたと思う」と胸を張り「本来ならあと1、2本決めなくてはいけなかったけど、久しぶりに強いフロンターレが見せられた」と手応えを口にした。

 4日のルヴァン杯決勝ではC大阪に敗れた。ボールを支配しても攻撃の精度を欠き、無得点に終わった。8日に練習が再開され、各選手が風間前監督に教え込まれた「蹴る、止める」の技術にもう1度向き合った。中村は「もう1つこだわらないと大舞台では勝っていけない。それぞれがうまくなれば、そのままそれがチーム力になる」。V逸後最初の試合に向け、パスやトラップの精度向上にこだわり抜き、立ち直った。

 元日は天皇杯決勝で鹿島に敗れ、1年で2度の準優勝。気持ちの切り替えに1週間を要したが、鬼木監督は「天皇杯決勝とは違って残り3試合ある。数字は他力だが、自分たち次第で奇跡は起こせる」と鼓舞。一致団結してスコア以上の内容で勝ち点3を手にした。

 鹿島との勝ち点差は4に縮まった。中村は「大事な試合でプロとして切り替えて、勝ち切れたのは自分たちのメンタルの強さを評価していい」と振り返った。残り2試合。37歳のベテランは「自分たちが勝ち点3を積み重ねないと意味がない」と奇跡の逆転優勝へ2連勝だけを見据えている。【岩田千代巳】