ホームの浦和はひょう変する。アジア・チャンピオンズリーグ(ACL)決勝に進んだ浦和レッズは明日25日、10年ぶりの優勝をかけてアルヒラル(サウジアラビア)との第2戦(埼玉)を迎える。1-1で引き分けた18日の第1戦(リヤド)では守備に時間を割いたが、DF槙野智章(30)は本来の持ち味である攻撃サッカーで勝利を手にすることを誓った。

 攻撃でアルヒラルに面食らわせる。23日、さいたま市内での非公開練習を終えた槙野は「サプライズを起こしたい」と言葉に力を込めた。決勝第1戦はシュート数が相手の20本に対し6本、支配率も32・3%と、耐える戦いを強いられた。だが、今大会無敗と無類の強さを誇るホームは違う。「守る戦い方はないと思う。自分たちらしく、第1戦とはまったく違うチームになる。第1戦を浦和の印象だと感じてくれていたらラッキー」と言いはなった。

 敵地ではブロックを敷き、危険な場面も作られながら1失点で乗り切った。無失点なら優勝が決まる状況だが、「いつ決められてもおかしくない状況になることもある」と引いて守ることのリスクも挙げた。昨季はリーグで同じように優勝を目前にし、後がない鹿島に逆転を許した。その経験から「苦しい時間帯は必ずある。味わった悔しさをここで出して、それを乗り越えないといけない」と、引き締まった表情で話した。

 ペトロビッチ前監督に代わって堀監督が指揮を執ってからは守備の整備にも時間を割いたが、今大会13試合で29得点と攻撃力は衰えていない。「最初から0-0で逃げることはしない」と槙野。最後は浦和らしく、タイトルをつかみとる。【岡崎悠利】