大宮アルディージャはホーム最終戦で来季J2降格が決まった。J2で戦うのは15年以来。残留には勝利が最低条件の中、スコアレスドローに終わった瞬間、スタジアムは異様な静寂に包まれた。今季は2度監督が交代し、サッカーの方向性も定まらなかった。最終節で最下位転落の可能性もあり、セレモニーでは森正社長に「バカヤロー」の怒号と厳しいブーイングが浴びせられた。

 昨季はクラブ最高の5位で終えたが、主力のMF家長が川崎Fに移籍した。FW大前、MF茨田を補強も外国人選手は据え置いた。開幕前イベントで補強を懸念するサポーターからの質問に、松本前強化部長は「何か問題でも?」と一蹴。ただ、開幕から6連敗と苦しみ、5月末に渋谷監督を解任し、伊藤監督が就任。夏には数億円の補強費でブラジル人FWマルセロ・トスカーノ、MFカウエを獲得したが、ともに1得点ずつで、補強費に見合った結果は残せなかった。

 残り3試合となった11月に今季3人目の石井監督が就任し、強化部長も西脇氏に交代した。石井監督は現時点で去就を明かさなかったが、来季も指揮を執ることが確実だ。森社長は「全試合が終わった後(石井監督と)契約の話をする」とし、FW江坂ら主力の慰留に全力を注ぐ方針を示した。【岩田千代巳】