清水エスパルスが30日、13度目の鹿児島キャンプをスタートした。歓迎式後に鹿児島ふれあいスポーツランドに移動し、パス回しやフォーメーション練習など約1時間半のメニューを消化。神村学園から新加入のFW高橋大悟(18)は、地元でのキャンプに決意を新たにした。

 高橋は、桜島を背に約1時間半のフルメニューを消化すると、充実した表情で汗を拭った。

 「『帰ってきたな』という気持ちと同時に、『やってやろう』という思いが湧いてきました。鹿児島を盛り上げられるように、サッカー選手として大きくなりたいと思います」

 サプライズでパワーをもらった。鹿児島市の「西郷どん大河ドラマ館」で行われた歓迎式典で、神村学園のクラスメート約30人が出迎えてくれた。約2週間ぶりの再会。オレンジ色のチームフラッグを全力で振る戦友から大声援を送られ、高橋は「バスを降りる直前で聞きました。良い意味で元気をもらえました」と声を弾ませた。

 今年度の全国高校選手権では、1回戦の秋田商戦から2試合連続で決勝点を記録した。チームは3回戦で敗れたものの、存在感を示した。練習での動きも評価され、ヤン・ヨンソン新監督(57)には「技術も高く戦術理解度も高い。これからもっと戦術理解を深めていけば、チームに貢献できる選手になれる」と言わしめている。

 同キャンプは来月9日までの11日間で3戦の練習試合を予定している。相手はJ3鹿児島、J1長崎、J2岐阜で、1年目からの活躍を目指す高橋は「状況判断も含めて、プロのスピードにもっと慣れていきたいです」と言った。

 鹿児島の顔、そして清水のエースへ-。高橋の戦いが、故郷で始まった。【前田和哉】