湘南ベルマーレが、MF石川俊輝(26)のJ1初ゴールで、V・ファーレン長崎とのJ1自動昇格組対決を制し、開幕戦で勝利を挙げた。

 湘南のJ1での開幕戦勝利は、ベルマーレ平塚時代の98年3月21日にヴェルディ川崎(現J2東京ヴェルディ)に4-1で勝って以来、20年ぶり。

 前半8分、湘南が先制した。鹿屋体育大から新加入のMF松田天馬が右サイドを突破し、中央に送ったパスに、Kリーグチャンレンジ(2部)釜山アイパークから期限付き移籍したFWイ・ジョンヒョプ(26)が走り込み、左足でシュート。ボールはDFに当たってゴールに吸い込まれた。イはJリーグ初ゴールに飛び上がって喜んだ。

 同16分、長崎が追いついた。12年に当時JFLだった長崎に加入後、一筋でプレーし、自身初のJ1挑戦となるMF前田悠佑(33)が、左から正確な浮き球をファーサイドに送ると、DF高杉亮太がヘディングシュート。GK秋元陽太が弾くも、こぼれ球をDF田上大地(24)が頭で押し込んだ。

 後半開始早々、湘南が新戦力のMFアレン・ステバノヴィッチに替えて石川、長崎がMFベン・ハロランに替えてリオ五輪代表FW鈴木武蔵を投入。同3分、その鈴木が後方からの浮き球パスに反応し、DFと競り合いながらグイグイ、前に出るなど押し込んだ。

 その後は拮抗(きっこう)した展開が続いたが、後半35分、湘南が勝ち越した。ゴール前正面で得たFKをMF秋野央樹(23)が左足でゴール左上に蹴ると、DFが弾いたこぼれ球がバーをたたき、DFの肩に当たってゴール前に落ち、詰めた石川が右足で押し込んだ。

 湘南は98年以降、J1の開幕戦で勝利がなかった。99年に横浜F・マリノスに0-2、10年にモンテディオ山形(現J2)に1-1、13年に横浜に2-4、15年に浦和レッズに1-3、16年にはアルビレックス新潟(現J2)に1-2と1分け4敗だった。湘南が“鬼門”の開幕戦を制した。