新守護神が開幕2連勝に導く。J2アルビレックス新潟はホーム開幕戦になる今日3日の第2節、松本山雅FCとデンカビッグスワンスタジアムで対戦する。2日はデンカSで練習を行った。今季加入の元ブラジル代表GKアレックス・ムラーリャ(28)が2試合連続無失点を誓っている。開幕の讃岐戦は堅守で1-0の完封。ホーム初戦も守備陣をまとめながら、勝ち点3獲得の土台をつくる。

 正確なプレーを繰り返しながら、GKムラーリャは松本戦前の最終調整を行った。ハイボールのキャッチでは「キーパー!」と、大きな声を出す。キャッチからのキックはステップを確かめながら正確に蹴る。

 デンカSのピッチに入るのは湘南に在籍していた13年10月以来。当時はアウェーだったスタジアムが、今季はホームに。「(02年の)W杯の会場になったスタジアム。素晴らしい」。雰囲気を堪能しながらも、細かい作業を怠らない。「サイドラインの長さ、風向きなどを確認した」。スタジアムの特徴を把握することに神経を使った。

 松本に対し「セットプレーが強い。集中力を切らさないように指示を出す」と守備陣の引き締めを促す。讃岐戦は守備範囲の広さと反応の速さで、危ない場面はほとんどつくらせなかった。味方に対しては日本語で的確な指示を繰り返した。鈴木政一監督(63)は「安定したGKがいると、守備陣は安心できる」と信頼を置く。

 湘南時代に、指示に必要な単語を日本語で書いたプリントを作成。5年ぶりの来日に合わせ、新潟にも持ち込んだ。2月6日に高知キャンプに合流して以後も、スタッフに意味と発音を聞きながら語彙(ごい)を増やした。「新潟来てからは『キリカエ』『ナガセ』『クリア』を覚えた」。それはプレーの精度アップも比例する。

 聖籠町のクラブハウス、そしてこの日のデンカSと練習したピッチの脇には除雪で積み上げた雪が残っている。「雪の隣でサッカーをしたのは初めて」と笑う。環境の違いも「これも1つの経験」と、元ブラジル代表らしく動揺はない。「失点しないのはGKの大事な仕事。それがチームの自信にもつながる」。2試合連続完封で2連勝へ。強固な守りで道筋をつける。【斎藤慎一郎】