ベテランのチャンスメークでホーム初勝利を目指す。J2アルビレックス新潟は今日11日の第3節、京都サンガFCとデンカビッグスワンスタジアムで対戦する。MF小川佳純(33)が開幕の讃岐戦以来の出場を果たす。讃岐戦で左大腿(だいたい)部を負傷した影響で前節のホーム松本戦(3日)、アウェーのルヴァン杯仙台戦(7日)を欠場した。離れてチームを見たことで、反省点を把握できた。万全の状態で臨む京都戦、試合巧者ぶりを発揮して、勝ち点3をホームのサポーターにささげる。

 満を持して、MF小川がピッチに戻る。「もう痛くはない。コンディションもいいです」。讃岐戦で痛めた左大腿部に不安はない。

 ハーフコートで行われた10日の8対8の実戦形式では、讃岐戦の位置だったFWから1列下がって、左サイドハーフに入った。「サイドの選手が何をしなければならないかは分かっている」。味方を確認して効果的なパスを前線に出す。その後は自らもゴール前に走る。07年に名古屋でプロ入りした当初から主戦場にしてきた位置。動き方は身に染み付いている。

 讃岐戦で負傷後、チームを1歩引いて見る時間ができた。ホーム開幕戦だった前節松本戦は1-1の引き分け。サイドバックが裏のスペースを狙う攻撃が目立った。「裏一辺倒になったら相手も守りやすい。サイドバックだけでなく、サイドハーフがボールを引き出さないと」。ホーム今季初勝利のために、攻撃に修正を加えるつもりでいる。

 京都の守備陣にはDF闘莉王(36)本多勇喜(27)石櫃洋祐(34)ら名古屋時代のチームメートがそろう。「駆け引きが楽しみ」とモチベーションは高い。刺激になっているのがB1新潟のチーム最年長、PG五十嵐圭(37)だ。五十嵐が三菱電機名古屋(現名古屋D)に所属していたときから親交がある。「名古屋ではよく会っていた。新潟に来てから、まだ会っていないけど、連絡は取り合っています」と言う。

 五十嵐は2連勝したA東京戦(3、4日・アオーレ長岡)で2試合合計18アシストをマークした。小川は京都戦、「中盤の4人がボールを多く触るようにしたい」と狙いを持つ。バスケットに続くホームでの勝利に、サッカーでは小川がチームを仕切って存在を示す。【斎藤慎一郎】