藤枝MYFCが、3季ぶりにJ3開幕戦を制した。AC長野パルセイロに1-0。決勝点は、後半36分、J3アスルクラロ沼津からそろって加入したFW小牧成亘(25)とFW渡辺亮太(27)の「沼津ホットライン」で奪った。J3ガイナーレ鳥取から加入のGK杉本拓也(藤枝明誠出=28)は好セーブを重ね、無失点に貢献した。

 沼津から来た2人が、藤枝で輝いた。後半36分、小牧が、右サイドから左足でクロスを上げた。190センチの渡辺は、ニアサイドから中央に動きなおしてヘッド。ボールは、GKの頭上を越えてファーサイドに吸い込まれた。「一緒にやっていたのでタイミングは分かっていました。沼津のホットラインが生きました」。渡辺にとっては、2年連続の開幕戦弾だった。

 GK杉本も奮起した。前半28分、DFラインの裏を突かれたが、相手選手と1対1の状況からビッグセーブ。後半45分にも、相手のヘディングシュートを横っ跳びではじきだした。今季、J3鳥取から加入。藤枝明誠を卒業し、10年ぶりに藤枝に戻ってきた杉本は「少ないピンチでしたが、止められてよかった。よく知った顔もスタンドにいたので、無失点で帰ってきたことをアピールできました」と振り返った。

 今季、藤枝は21人が新加入。この日の先発も9人が加入選手だった。2月初旬には、早期に全員を機能させるべく、シジマールヘッドコーチ(55)を中心にスタッフ陣が選手を個人面談。チーム戦術や個人の役割、改善点などを話し合い、準備してきた。その成果が出た白星発進で、大石篤人監督は「(戦術の)浸透度は早かったです」との笑顔。その上で「まだ求める水準ではないのも確か。次に向けて準備します」と気持ちを引き締めた。【大野祥一】