清水エスパルスはアウェーでJ2ヴァンフォーレ甲府に0-1で敗れ、今季初黒星。8年ぶりに復帰したDF兵働昭弘(35)と高卒ルーキーFW高橋大悟(18)が初先発を果たしたが、まったく決定機を作れず、無得点に終わった。

 8年ぶりに清水に復帰したDF兵働が、慣れ親しんだオレンジのユニホームに袖を通した。10年12月29日天皇杯準決勝G大阪戦(3-0)以来、約7年3カ月ぶりの公式戦に先発した。ポジションは本職ではない左サイドバック。ルヴァン杯前節ホーム磐田戦(7日・1-0)に出場したDF伊藤研太(18)が10日の練習で左内転筋を痛め、チャンスが巡ってきた。非公開で行った紅白戦でも好プレーを見せ、ヤン・ヨンソン監督(57)が「理解度が高い。ゲームの流れを読める」と高評価し、起用につながった。

 前半14分、左サイドからクロスを供給。同3分には、ドリブルを仕掛ける相手にプレスをかけてボールを奪い、同7分にはパスをカット。守備面でも安定したプレーを見せた。しかしチームは同30分、甲府にCKのこぼれ球を決められて先制を許し、追いかける展開となった。

 後半からはMF竹内涼(27)FW北川航也(21)ら主力を次々投入した。しかしボールを保持できず、決定機を作れなかった。ヨンソン監督は「自分たちのサッカーが全く出来ていない。このまま帰るわけにはいかない」と強い言葉で選手を鼓舞。ピッチに向かって絶叫し、怒りをあらわにする場面もあった。

 同44分には判定に抗議し、ベンチへ下がるように主審から注意されるほどエキサイトした。リーグでは3戦7発とJ1最多得点を挙げている攻撃陣も鳴りをひそめ、完封負け。最後まで流れを作れず、アウェーで今季初黒星を喫した。【保坂恭子】