J1のV・ファーレン長崎から開幕1週間前の2月18日に加入した、モンテディオ山形MF古部健太(32)が、東京ヴェルディ戦で移籍後、初出場&フル出場し、山形の今季初の無失点締めに貢献した。

 この日は左MFに入り、守りでは5バック気味になって3バックの脇のスペースを埋め、東京Vの攻撃の芽を摘んだ。「失点が続いていたのもあって、しっかり守備をしようと入った。そのミッションは、失点0で達成できたので良かった」と振り返った。木山隆之監督(46)からは「しっかり形を作って、3バックの脇をしっかり埋めてスタートするように」と指示が出ており、そのタスクを忠実にピッチで実行した。

 唯一、決定的な場面を作られたのは前半29分。右クロスを中央で待ち構えた東京VのFWドウグラス・ヴィエイラが落としたボールに、マッチアップしていたMF林昇吾(20)に走り込まれ、ゴールを決められたが、判定はオフサイドだった。「失点しかけた。オフサイドだったシーンは危なかったですけど。他に危ないシーンは、そこまで作られていなかったと思いますけど…ゴールラインを割っちゃったんで、ちょっと焦りました。オフサイドで良かったです」と苦笑いした。

 攻撃ではFW汰木(ゆるき)康也と連携し、後半は積極的に仕掛けた。それでも「あまり康也に、いいドリブルをさせてあげられなかった。守備でも頑張ってもらった。うまくやって、あいつの攻撃の力を残してあげられれば良かった」と反省した。

 長崎では、コンディション不良などで、17年6月3日の湘南ベルマーレ戦以降、出番がなく、リーグ戦は10試合の出場に終わった。先発も4試合にとどまり、同5月17日の大分トリニータ戦が最後の先発だった。出場は9カ月ぶり、先発は10カ月ぶりで「とりあえず、個人的には90分、何とか出来たのが良かった。コンディションが上がって、もっともっと走れると思う。ここから…久しぶりの公式戦。やっとスタートラインに立てた。楽しかったです」と満面の笑みを浮かべた。

 そして「今日は残念ながら点が取れなかった。次はホームだし、無失点プラス得点を取って勝ち点3を取らないとダメ。しっかり力を出したい」と、31日にレノファ山口FC戦に照準を定めた。【村上幸将】