下位に低迷する浦和レッズはアウェーでジュビロ磐田に1-2で逆転負けし、05年以来となるクラブワーストタイの開幕5戦未勝利となった。開始早々に先制点を奪ったものの、磐田FW川又に2失点。日本代表活動による中断明けのこの日から、5月19日のG大阪戦まで15試合をこなす過密日程がスタート。初戦で好感触をつかみたかったが、またも勝利には届かなかった。

 また勝てなかった。前半8分にFW興梠が今季初ゴール。微妙な判定のハンドで得たPKだったが、エースの1発で波に乗るかに見えた。だが前半終了間際にFW川又に同点弾を浴びると、後半36分にまた川又に勝ち越し点を許した。試合後両手で頭を抱えたMF柏木主将は「集中力のなさなのか、慢心なのか。コントロールできていない主将としての力不足。情けない」と責任を背負い込んだ。

 2週間の中断期間では、守備面で選手同士の距離を近くし、スペースを与えない守りを磨いたはずだった。ただ順大との練習試合では45分×3本すべてで失点し引き分けるなど、確固たる自信にはつながらなかった。日本代表のベルギー遠征から戻ったDF槙野は「消極的で、みんな早くボールを渡してしまいたいと感じているように見えた。ボールが爆弾のよう、というか」と、チームの焦りを感じ取っていた。

 リーグ開幕から5戦勝ちなしと苦しい状況に追い込まれたが、淵田社長は堀監督について「しっかりサポートし続けるだけ」と声を強めた。柏木は「自分が決めることではないけど、チームとして機能する人を見極めるのもあり。出てない人にとってはチャンスだと思う」と固定されているメンバーのリセットも否定しなかった。昨季のアジア王者がもがいている。【岡崎悠利】