ベガルタ仙台が家族にささげるゴールラッシュでFC東京を3-0で撃破した。前半28分、新婚ほやほやのFWジャーメイン良(22)が新妻にささげるJ初ゴールを決めて先制。今季初先発初出場のMF蜂須賀孝治(27)が同42分、2月23日に誕生した第1子にささげる今季初ゴールを決めると、後半にも豪快に左足ボレーをたたき込んでダメを押した。チームは昨年10月24日の清水戦以来、ホームで7戦負けなし(4勝3分け)とし、ユアスタ不敗神話を更新。開幕から公式戦8戦無敗とした。

 巡ってきた好機を逃さなかった。前半28分、FW阿部拓馬(30)、MF中野嘉大(25)のシュートが立て続けにはじかれると、最後はFWジャーメインがこぼれ球を右足で仕留めた。「妻と一緒に母親も神奈川から見に来てくれた。持ってますね」。歓喜の輪から抜け出すと、スタンドの家族に向け右腕を突き上げアピールした。

 今季は、明るいキャラクターから地元テレビ局のスポーツ番組から取材依頼が殺到。だが、結婚を機に「試合での露出度をもっと増やしたい。今がサッカー選手としての分岐点。早く結果を出して、少しずつ出場時間をもらえるように頑張りたい」と、ベクトルをピッチへ向け直した矢先のうれしい記念弾となった。

 3-4ー3の布陣から3-5-2に変更して臨んだ一戦。右サイドで先発出場した蜂須賀も続いた。2月23日に第1子となる長男が誕生。前半42分、左サイドのクロスに反応し右足で今季初ゴールを押し込むと「決めたので自分でやっちゃおう」と長男誕生後、いまだに行われてこなかった「揺りかごダンス」を自らの手で敢行した。

 昨季の最終戦で大けがを負い、今キャンプはリハビリの日々を送った。「リハビリを頑張ったご褒美を神様がくれた。もう1回やれと言われても決められないゴール。ユアスタが力を与えてくれた」と、後半23分には2点目を左足のスーパーボレーでたたき込み、サポーター席に走った。

 快進劇が止まらない。開幕からの公式戦不敗記録は、11年の13戦不敗に次ぐ長さとなった。家族愛あふれる2人のゴールが、花冷えのナイトゲームを熱くさせた。【下田雄一】