FC東京の長谷川健太監督(52)は、首位サンフレッチェ広島に初黒星をつけての快勝に「非常に大きな勝ち点3だと思うし、連戦中なので、しっかり次につなげないといけない。先制できたことが大きかった」と笑みを浮かべた。

 質疑応答の中で、ガンバ大阪監督時代にエースストライカーとして起用し、前節まで3戦連発、5ゴールと絶好調だった広島FWパトリック(30)を、どう対応し封じたか? との質問が飛んだ。長谷川監督は「それを言っちゃうと、パトリックの今後に、営業妨害になっちゃう。これからも、うちの試合以外は頑張って欲しい」と、苦笑いしながら明言を避けた。ガンバ大阪を率いて2年目の14年に加入したパトリックは、同年の国内3冠獲得に貢献するなど、在籍した17年までの間にJ1で72試合に出場し23ゴールを決めた。“功労者”とも言える教え子パトリックに対し、長谷川監督は敬意と愛情を示した。

 順位は2位のままだが、首位広島との勝ち点差は6に縮まり、FWディエゴ・オリベイラ(27)の2発とFW永井謙佑(29)のゴールで得点はJ1最多の16に伸びた。2トップは好調だが、長谷川監督は「今のメンバーで、ずっと戦えれば、ある程度、特徴も分かっていますが選手の厚み、幅という部分に関してはまだ、なかなか十分な部分に達しないと思う」と現状を語った。

 その上で「ディエゴと永井のスピードをチームも生かし、いいサイクルに入っているが当然、相手も(良さを)消してくる中で、次の一手を考えないと止まってしまう。今日も1点を取られた。しょうがないと思いますが、防げる失点は全体で防いでいけるようにしたい。彼らが攻撃をけん引しているので、いい時期にもっと活躍して欲しい」と、オリベイラと永井の活躍に期待しつつも、次の手を打つ必要性も口にした。【村上幸将】