北海道コンサドーレ札幌は横浜F・マリノスを2-1の逆転で下し、J1での対戦13試合目で初勝利を挙げた。前半44分に先制を許し、0-1で折り返したが、後半4分にFW都倉賢(31)のゴールで追いつき、同21分、DF進藤亮佑(21)の今季3点目で勝ち越した。勝ち点18とし、クラブ最長を更新中のJ1での負けなしを7試合に伸ばした。

 過去の戦績、相性は関係ない。札幌は、指揮官も、選手も冷静だった。前半終了間際、横浜に先制点を許した。0-1で後半を迎えても、ミハイロ・ペトロビッチ監督(60)に焦りはない。「(前半劣勢にみえたのは)後半のやり方で90分通して戦うのは難しい。アグレッシブに前からプレッシャーをかけて」。指揮官の描いたプラン通り、後半から怒とうの巻き返しが始まった。

 前半はボール支配率で上回る横浜に、前線からプレスをかけられていた。後半から布陣は4-4-2に変更した。左シャドーで先発したMFチャナティップは中盤へ、左サイドハーフのMF菅は左SBへ下がった。その菅が流れを呼び込む。1-1の後半21分。敵陣で相手パスをカットすると、左サイドをドリブルで駆け上がる。正確なクロスをゴール前に供給すると「信じて入っていけて良かった」という進藤が頭で押し込んだ。

 劣勢からの粘り強さが今季の強みだ。前半無得点から2試合、勝利につなげている。都倉は「試合を積み重ねるごとにチームに一体感が増している。逆転勝ちになっている」と実感する。あまり選手を褒めない同監督も「どんな試合でも、練習でも、100%でやってくれているのが強さの秘密」とたたえた。失点しても、劣勢でも取り返せると、ピッチの選手もサポーターも信じている。

 この試合まで1分け11敗だった苦手意識を払拭(ふっしょく)し、初の勝ち点3を横浜から奪った。ホーム厚別での強さも継続し、J2時代からの連勝を7とした。週2試合の連戦が続くが、進藤は「たくさんできる喜びを感じている」と、感謝の言葉を口にした。7戦負けなしの自信を胸に、次節28日は中2日でアウェー仙台に乗り込む。【保坂果那】