今季3度目の静岡ダービーは、ジュビロ磐田に軍配が上がった。清水エスパルスは公式戦3連敗で、B組1位から3位に順位を落とした。

 清水は徐々にペースを握った。序盤は相手に押し込まれる時間が続いたが、粘り強い守備でしのぎチャンスを待った。守備からリズムを作ると、同25分にはFW村田和哉(29)の右クロスをFW長谷川悠(30)が右足ダイレクトシュート。同34分には、右CKからのこぼれ球にMF白崎凌兵(24)が反応し、右足ミドルを放った。前半は無得点に終わったが、迫力ある攻撃を見せた。

 ヤン・ヨンソン監督(57)は「タイトな日程なのでメンバー変更しなければいけない。フレッシュなメンバーでいく」と、6日のリーグ鳥栖戦からスタメン10人を変更した。FW鄭大世(34)だけが中2日の過密日程の中で先発出場。勝てば、1次リーグ突破が決まる大事な一戦で1人勝利への強い執念を見せた。この日はスタメン11人中6人が30歳以上の選手。経験豊富なベテランを軸に試合を掌握した。

 ハーフタイムに、指揮官は「スタートからゴールを狙っていこう」と指示した。後半開始からFWクリスラン(26)を投入。攻撃的な姿勢を見せたが、同13分に先制点を献上した。1点を追う同20分には、今季公式戦初先発のFW長谷川がヘディングで同点ゴールを挙げた。試合のメンバーに絡めず、一時は実戦練習にも加われなかった男の今季初ゴールだった。

 これでチームは勢いづいたが、同23分、自陣左サイドを崩されてクロスから決勝点を献上。リーグ戦の悪い流れを断ち切れず、終了のホイッスルが鳴った。【神谷亮磨】