ジュビロ磐田は、延長戦の末に中京大を3-2で退けた。MF藤川虎太朗(19)のプロ初得点で先制。FW中野誠也(22)が追加点を決めたが、土壇場で追いつかれた。そして、延長前半13分にMF松浦拓弥(29)が決勝点を決めた。

 プロ2年目のMF藤川が、今季初先発の起用に応えた。0-0の前半ロスタイム。こぼれ球を拾ったMF宮崎智彦(31)のシュート性クロスに反応し、左足ボレーで豪快にネットを揺らした。前日5日、藤川は「最近、チームが点を取れていない。ゴールに向かう姿勢を見せて、状況を変えたい」。宣言通りのプレーで、チームに先制点をもたらした。

 藤川が待望のプロ初得点を記録すると、FW中野が続いた。後半3分。DF藤田義明(35)のスルーパスに抜け出し、右足で追加点を決めた。筑波大のエースとして臨んだ昨年の天皇杯では、大会最多の4戦5発。若き点取り屋は「去年があるからこそ、今年もゴールを取りたい。1試合1試合、結果を出していきたい」と気合十分でこの試合に臨み、今年の天皇杯も初戦からネットを揺らした。

 格下相手に2点のリード。勝利を手中に収めたはずだったが、まさかの展開が続いた。同37分にミドル弾で1点差とされ、同ロスタイムには、ゴール前の混戦を押し込まれて同点にされた。番狂わせを狙う中京大の粘りに苦戦し、土壇場で延長戦に持ち込まれた。

 それでも、最後はJ1の意地が上回った。延長前半13分。延長戦から途中出場したMF松浦が、ゴール中央でMF山田大記(29)のパスを受け、左足一閃(いっせん)。強烈な一撃がネットに突き刺さり、決勝点。苦しみながらも3回戦へ駒を進めた。【前田和哉】