大宮アルディージャユースが敗色濃厚の崖っぷちから追いつき、延長戦の末にサンフレッチェ広島ユースを下した。

 大宮ユースの執念が実った。1-2で迎えた後半アディショナルタイム4分、左CKからゴール前の混線に。最後はGK村田耀が左足で同点ゴールを決めた。九死に一生とはこのことか。このプレーの直後に後半終了のホイッスルが鳴った。

 前後半20分の延長に突入。勢いづいた大宮ユースのペース。広島ユースのゴールを果敢に攻めたてると、そして迎えた延長後半アディショナルタイム1分、今度は相手ゴール前で得たFKだった。

 キッカーのMF五百蔵悠の左足から放たれたボールが、きれいな弧を描いた。壁を物ともせずゴール左上へ鮮やかな決勝点が決まった。後半、延長と土壇場で飛び出した劇的なゴールで、ファイナリストの切符を手にした。

 丹野友輔監督は「(五百蔵は)2月にケガをして7月中旬に復帰したばかり。パワーをつけて帰ってきてくれた。やってくれると思っていた。3年生の思いが一つになった」と感激した様子で話した。

 決勝の相手は清水ユース。3年前にも決勝に進出しているが、その時は横浜F・マリノスユースに敗れている。丹野監督は「我々はビッグクラブじゃないので、みんなが一つになって頑張る」と、初優勝への意欲を口にした。