首位の松本山雅が、3連勝と4連勝を含む7勝1分け、8戦無敗と順調に勝ち点を積み上げている。反町康治監督は、2-3で逆転勝ちした4日のジェフユナイテッド千葉後の会見で、27試合を終えて、勝ち点が53の現状について「(試合数)かける2…54に近づいてきたのはうれしいし、8月を無敗でいけるよう日々、努力したい」と語った。

 今節、アウェーで対戦する20位カマタマーレ讃岐とは、J2で過去7回戦って3勝4分けと1度も負けたことがない。公式戦で唯一、負けたのは両チームがJFLで戦っていた2011年9月11日に、アウェーで2-4で敗れた1試合のみ。千葉戦のメンバーで、8年前の讃岐戦に出たのはDF飯田真輝くらいで、反町監督もチームを率いていない。敗戦の記憶も遠い今、順当勝ち出来るか。

 台風12号の影響で7月29日のレノファ山口FC戦が中止となり、松本より1試合消化が少なく、勝ち点差が4に開いた2位FC町田ゼルビアは、ホームで千葉と対戦する。中止前は3連勝、8月4日の前節も横浜FCに3-2で勝ち好調の町田だが、千葉とは相性が悪い。4連敗を含む5戦未勝利が続き、通算成績も1勝1分け5敗と完全にカモにされている。4月15日のアウェー戦でも、後半の3失点で2-3で逆転負け。松本を追走したい中、千葉は厄介な相手だ。

 一方、千葉は7月15日のツエーゲン金沢戦で執拗(しつよう)な抗議から退席を命じられ、松本戦まで4試合のベンチ入り停止処分となったエスナイデル監督が帰ってくる。開幕前は優勝候補の一角と期待されながら、J1昇格プレーオフ圏6位の横浜FCと勝ち点9差の15位と低迷が続く。残り試合は15…これ以上、勝ち点を落とすわけにはいかない。

 3位の大分トリニータは、3連敗を含む1分け4敗と泥沼の不振から脱し2連勝しているが、ホームで迎え撃つ9位ファジアーノ岡山には、ホームで1分け1敗と2試合連続で勝てていない。J3を戦った16年を除く15、17年と今季の3シーズンを見ても、1勝1分け3敗と苦しんでいる。7月25日のFC岐阜戦(2-0勝利)、5日のアルビレックス新潟戦(4-0勝利)と2戦連発中の、FW三平和司に期待がかかる。

 降格圏21位のロアッソ熊本と勝ち点6差の19位と低迷する新潟は、7日付けで鈴木政一監督を解任し、片渕浩一郎ヘッドコーチが暫定的に指揮を執ることになった。片渕ヘッドコーチは、クラブが16年に吉田達磨監督を解任した際は監督としてJ1残留に導いた手腕がある。17年に三浦文丈監督が成績不振から休養した際も、呂比須ワグナー監督の就任まで暫定監督を務め、今回も鈴木監督の解任を受けて暫定的に指揮を執ることとなった。

 今節、対戦する17位栃木SCとは、J2での初対戦となった4月15日のアウェー戦は1-2で敗れた。栃木の元日本代表FW大黒将志に先制点を決められ、同ロスタイムに元日本代表DF安田理大のゴールで1点差に詰め寄るも力尽きた。

 公式戦で見ると、過去にもう1試合だけ対戦がある。2001年(平13)12月2日に行われた天皇杯2回戦で、当時J1だった新潟がホームの新潟市陸上競技場でJ2だった栃木に2-1で勝ったが、17年近く前の試合で参考にならない。片渕監督も当時はJ2だったサガン鳥栖で選手をしており、翌02年に新潟に移籍しリーグ戦3試合、天皇杯3試合に出場して現役を引退し、指導者の道に進んだ。

 3度目の“緊急登板”となった片渕ヘッドコーチは、初戦の敗戦を教訓に新潟を勝利に導けるか?