ベガルタ仙台が初物ずくめのゴールラッシュで湘南ベルマーレを4-1で下し、今季2度目の2連勝を飾った。1-1で迎えた前半32分、FW西村拓真(21)が自身初の2ケタ得点となる今季10点目の勝ち越しゴールを決めた。後半10分にもFWハーフナー・マイク(31)がヘディングで移籍後初ゴール。連勝は開幕直後の第2節FC東京戦以来で、ホームでは3月31日のV・ファーレン長崎戦以来、8戦ぶりの白星を手にした。勝ち点32で順位は8位のままだが、4位ヴィッセル神戸に勝ち点1差と迫った。

 仙台が4カ月半ぶりに、待ち望んだホーム戦勝利を挙げた。まず前半15分、オウンゴールで先制点を献上したMF関口訓充(32)が、帳消しとなる復帰後初ゴールで同点に。そして前半32分、FW西村がゴール前で嗅覚を発揮した。関口から供給された左サイドからの低弾道のクロスに反応。ファーストタッチでふわりとボールを浮かすと、反転して右足を振り切り、ゴール右隅に流し込んだ。このゴールで浦和レッズFW興梠慎三(32)に並ぶ日本人得点ランク1位タイに浮上した。西村は「関さんがいいボールを入れてくれた。パスでなく逆をついてシュートを選択したのは良かった。常に貪欲にゴールを目指していきたい」と喜んだ。

 昨季、ルヴァン杯での活躍が認められ個人タイトルを獲得。だが28試合に出場したリーグ戦では、計51本のシュートを放つも2得点と決定力不足を露呈した。今季は違う。日々取り組んでいる居残りシュート練習の成果が、結果に表れている。福永泰コーチ(45)は「昨年まではスピードに乗った状態のまま、力んでシュートミスすることが多かったが、ファーストタッチの質が高まったことで、顔を上げて相手を見ることができていることが大きい。マーカーに対して主導権を握ってアタックできている」と、得点力アップの理由を説明した。

 1試合4得点は、今季リーグ戦での最多得点。この4戦で計9得点と、攻撃が活性化してきた。この日、スタジアムでは歌手の松崎しげるが4年連続となるミニライブを行って盛り上げた。松崎が歌った試合は、3勝1分けと負け知らず。不敗神話は健在だった。【下田雄一】