FC東京の長谷川健太監督(52)は、湘南ベルマーレ戦で無得点に終わったものの、リーグ戦の連敗を3で止め「原点に戻れる試合だと思った」と前向きに捉えた。

10日に古巣のガンバ大阪に敗れて以降リーグ戦は3連敗で、19日の北海道コンサドーレ札幌戦では2点を奪いながら2-3で逆転負け。22日の天皇杯4回戦でも、J2のモンテディオ山形に1-1からのPK戦で6-7で屈して敗退。公式戦4連敗の中、この日はFWディエゴ・オリベイラとリンスを中心に、湘南に波状攻撃を仕掛け続けた。

長谷川監督は湘南戦の前に、選手に次のような話をしたという。

長谷川監督 今日は原点に返って。(今季は)点が取れていない中、スタートしてセカンドボールを押し込んで点を取った。序盤は奪うという姿勢があったが、形にこだわってというか、きれいに取ろうというか、泥臭く積み重ねた得点が減ってきていた。もう1度、そこを思い出して、1人じゃなくみんなで押し込むところで、やっていこう。前半戦の東京の良い形がどう始まったか。球際で初めて戦って…シュートブロックも甘さがあった。もう1歩、半歩寄せよう。

ゴールこそ割れなかったが、長谷川監督は「終盤になって、なかなか勝ち点3が難しい中、1を拾うんじゃなく勝ち点3を狙って1を、と言った。後ろ(DF)は疲弊している選手はいたけれど、前にプレッシャーをかけたのが1につながった」と評価した。攻撃に関しても「点が取れず単発の攻撃が目立ったが、揺さぶって点を取っていこうという形が後半、何度か見えた」と復調の兆しを感じたと口にした。

今後については「(選手から)気持ちは伝わってきたし、決めきれなかったけど、そこを突き詰めて今はやっていくしかないし、急に得点のアベレージは上がらない」と、根気強く練習を続けていくことを強調。その上で「今のうちには大きな勝ち点1。決定機はうちの方が多かったと思うが、お互い負けられなかった。攻めながら集中力を切らさず、後ろは対応してくれたと思う。点こそ取れなかったけれど仕掛け続け、チャンスを作り続けたのは札幌戦の後半よりは進歩した。来週には(ケガから)戻ってきそうな選手もいる。立て直して戦いたい」と巻き返しを誓った。【村上幸将】