ヴィッセル神戸のスペイン代表MFアンドレス・イニエスタ(34)が26日、横浜F・マリノス戦後に、U12ジュニアサッカーワールドチャレンジ2018で来日していたFCバルセロナU12の子どもたちと交流を深めた。

子どもたちは同大会での3連覇達成の報告を行い、イニエスタは子どもたちに成長への道筋を話した。

イニエスタ 今いるところを最大限に生かすことだ。選手として、人として成長するために理想的な場所だと思う。自分が手にしていることの価値を知ることだ。実際、最高の選手になるために必要な全てに恵まれているのだから。あとは楽しんで、それぞれが自分の可能性を信じることだ。いつもバルサのトップチームでプレーすることを夢見て。学びながら、毎日、1歩ずつ近づいていく。とりわけ、今、手にしていることの価値を認めることだよ。

子どもたちとの交流を経て、イニエスタはバルサTVのインタビューにも応じ、日本での感想を話した。

-日本の印象は

イニエスタ 日本はとても良いよ。正直、初日からすごくなじめたし、僕を助けようとするたくさんの人たちがいたし。チームメート、クラブで働く人たち、全てやりやすいように整えてくれるから、それは大きな助けになる。それ以外の条件はあるよ、例えば気候とかね。気温とか湿度とか、すごい暑さだと知った。とりわけ、最初に来たばかりで、まだ練習の数をこなしていない時は体により響くから。

-Jリーグの印象は

イニエスタ 一般的にプレーのタイプについて言えば、休止が多いかもしれない。僕が長い間、慣れていたプレーからみれば。でも、最高に気に入っているし、そういった全ての新しい経験が僕にとって良いことだし、まだスタートだ。リーグの印象は、どんなライバルでも、ポジションが下であっても、相手のホームで勝てる、逆に僕らもどんな相手にでも勝てるような。まるで負けることを恐れないサッカーみたいだ。1-0で負けていても、攻撃し続けている。

-目標はリーグ優勝?

イニエスタ うん、優勝したことがないし、(優勝するのは)大事だろう。僕は、リーグのシーズン後半に来たし、全てがすごくスピーディに進んでいるけれど、僕らは上位3位までに食い込める可能性がある。

-日本に来るという冒険について

イニエスタ 僕が踏み出した1歩、その決断は当たりだった。僕が、個人レベル、家族レベルでここで得ている経験は、とてもポジティブなものだ。家も家族も友人も全てが近くにあるし、もちろん、僕の目はいつも、バルセロナ、チームに向いているよ。うまくいっているか、機能しているか、とそれはずっと続けていくことだけれど、日々の生活レベルでいえば、僕はとても楽しんでいるし、正直、本当にこの生活を気に入っているよ。

-現在のバルサについて

イニエスタ 力強いチームだと思うし、今季、若い選手や経験豊か選手を補強したから、それがチームに深みをもたらすと思う。バルサが今季の終わりに、全タイトル制覇をかなえることができれば、と願うよ。昨年のローマでの出来事は、あらゆる意味で突き刺さっている。誰も予期していなかったし、僕らは上位にいたし。今年も再び、闘っているだろうし、是非、そうなればと思っている。

-メッシがキャプテンを引き継いだ

イニエスタ キャプテンマークをつけていなくても、いつもキャプテンの役割をしている。僕はいつも言ってきた。僕らのチームには、まとめやすいグループの選手たちがそろっている。彼はアルゼンチン代表のキャプテンだ。アドバイスすることはほとんどない。僕は、メッシと共に楽しんだだけだ。僕にとってキャプテンであることは、唯一無二の経験だった。メッシにとっても、こんなに長い間、クラブにいた後にキャプテンになるのは、新たな喜びになるだろう。

-アルトゥールについて

イニエスタ 唯一、僕ができるアドバイスがあるとすれば、自分のプレーを信じるようにということだ。彼はとても優れた資質を持っていると思うし、それを生かせるクラブに来たと思う。彼はまだ、若い。多くを学べる最高の選手に囲まれて学ぶことができる環境にある。是非、運に恵まれて、彼の持っているサッカーを発揮し、クラブをより大きくしていく力になって欲しい。

-バルサ時代のビデオは見るのか

イニエスタ 日によって、リーグ戦最後の試合や最後の瞬間などのビデオを見ることもある。バルサで過ごした最後の日々は、その全てを覚えているわけではないけれど、魔法にかけられたような日々だったし、決して忘れることはない。あんなに多くの愛情を受けることができて、あの日々は、本当に忘れられないものだった。今日現在でも、まだ思い出すよ。僕らは、それぞれが自分の歴史をつくり続けていく。そして、将来、バルサにいられたら。なぜなら、バルサは、僕のホーム、わが家だと思っているし、僕があそこで長い時間、学んだことの全てをなんらかの形で伝えられればと望んでいる。

-日本の食事について

イニエスタ すしとか典型的なものを除いて、ラーメンやうどんなど、スープと共に食べるパスタの一種を試したよ。僕らからみれば、スパゲティをスープと混ぜたようなもので、異なった味があり、いろいろ試しているよ。それに、ここの神戸牛といったらすごいし。いろいろ、試してみているよ。

-日本について驚いたこと、日本での生活

イニエスタ 最も目を引いたのは、仕事の仕方、全て、きっちりと計算され尽くしていることかな。僕はかなり、物事をシステマチックに行う方だけれど、日本でのそれは、信じられないくらいだ。後は、人々の敬意の払い方とか、どこにいっても、誰もが手を貸そうとしてくれる。無償でね。習慣で目を引いたのは、やっぱり、家について、靴を脱ぐこと、家の中ではだしでいることだね。少しずつ、言葉は覚えているよ。ブエノスディアスのおはよう、こんにちは、こんばんは、おやすみはブエナスノーチェス、夜、寝る前のあいさつ、数字とかね。正直、会話をするところまでは、ちょっと難しいと思うけど、毎日、同じチームで生活して、日本人選手も少し、スペイン語を覚えて、お互い、良い意思疎通があるよ。日本語、スペイン語、英語と混ぜながら、話しているよ。