首位サンフレッチェ広島を、台風12号の影響で1試合消化が少ない2位の川崎フロンターレが勝ち点6差で追う今節は、両チームにとって正念場となりそうだ。

広島は、ホームで勝ち点36で7位の鹿島アントラーズと対戦する。広島は3月10日のアウェー戦で鹿島に1-0で勝ち、天皇杯を含めた公式戦で13年12月7日のアウェー戦以来6連敗、9戦未勝利を止めた。ただ、ホームでも14年4月26日の試合以来、4連敗中で12年3月24日の試合以来、1分けを含む5戦未勝利と6年5カ月も勝てていない。今季の広島の躍進に攻守で原動力となり、日本代表に初選出されたDF佐々木翔の奮起に期待だ。一方の鹿島も、5位ヴィッセル神戸、6位セレッソ大阪と勝ち点で並び、4位の北海道コンサドーレ札幌とは勝ち点2差、3位のFC東京も5差だけに、上位との差を詰めるためにも負けられない。

川崎Fはアウェーで勝ち点21の17位ガンバ大阪と対戦する。川崎FはG大阪に2連勝を含む3戦負けなしで、リーグ戦に限ればアウェーでも1勝2分けと近年、負けがない。G大阪のホームが吹田スタジアムになってからも1勝1分けと無敗だ。首位広島が“鬼門”鹿島と対戦する中“お得意様”G大阪から勝ち点3を挙げれば、連覇へさらに前進できる。

札幌が勝ち点2差の神戸をホームに迎え撃つ4、5位直接対決も見逃せない。2連勝、4戦負けなしと好調の札幌だが、神戸には17年にJ1に復帰後、3戦全敗と苦手にしている。公式戦で最後に勝ったのは、J2時代の13年11月10日に1-0で勝ったホーム戦で、J1に限れば5連敗中。神戸戦での勝利は、5-2と派手な撃ち合いを制した2001年9月29日のホーム戦の、たった1度しかない。その試合では、ブラジル人FWウィルがハットトリックを決めた。5月20日のアウェー戦では0-4で完敗し、クラブ記録の11戦無敗を止められた“鬼門”を前に、ペトロビッチ監督は、どう戦うか?

残留争いは、4連敗で最下位のV・ファーレン長崎とG大阪が勝ち点21で並び、そのG大阪に26日の前節、元スペイン代表FWフェルナンドトーレスのJ1初得点2アシストの活躍で快勝した16位サガン鳥栖が、長崎とG大阪との勝ち点差を4に広げた。一時は最下位に沈んでいた名古屋グランパスも、6連勝を含む7戦負けなしで勝ち点28の13位と“危険水域”を脱しつつある。長崎は31日に勝ち点6差の14位湘南ベルマーレをホームに迎え撃つ。翌9月1日に試合がある各チームにプレッシャーをかけるためにも負けられない。一方の湘南も、勝ち点を落とせば残留争いに陥る可能性もあるだけに、落とせないところだ。