アビスパ福岡ひと筋のベテランFW城後寿(32)が今季初の1試合2得点で大宮撃破に貢献した。主力の相次ぐけがやチーム得点王のFWドゥドゥ(28)の出場停止で、井原正巳監督(51)が「経験も豊富。彼の前からのパワーが必要だった」と巡ってきたビッグチャンスに死力を尽くした。

城後は、今季5試合目の先発に「試合に出ていなかった分、一番走らないといけないと思って入った」という。前半1分、縦パスに素早く反応し「入っても入らなくてもシュートで終わらないといけない場面。思いきりの良さがゴールにつながった」と電光石火の先制点を決めた。

後半立ち上がりに同点とされた。だが同26分、「きれいじゃないが、自分らしいゴールだった」と、ゴール前に相手DFと競りながら滑り込む泥臭さで執念の勝ち越し弾だ。井原監督が「パーフェクトに近い試合だった」とたたえた勝利の立役者になり、城後は「今日は勝ち点3以上の価値がある。この勢いに乗っていくことができれば。残り7戦勝つつもり。絶対優勝できる」と声を弾ませた。残りを全勝しても、勝ち点はクラブ目標の「84」には届かない。それでもこの日の勝利で暫定ながら7位→4位に浮上、全力でJ2優勝と昇格を狙う。