川崎フロンターレが1-3からの劣勢をはね除け、神戸を5-3で下し、2位広島との勝ち点差を4に広げた。

MF阿部浩之、守田英正が累積警告による出場停止で、DF車屋紳太郎は左太もも肉離れでベンチ外。この日は4-4-2のシステムで、MF斎藤学が前線に入った。

2-3で迎えた後半20分、斎藤がMF家長昭博からのパスに抜け出し、ドリブルで仕掛け左足シュート。5カ月ぶりのリーグ戦先発で、今季リーグ初得点を決めチームを救った。斎藤は10月の移籍初ゴールに「遅いでしょ」と苦笑も「自分としては勝負できるボールが来たので。しっかり相手との1対1に抜けて点を取れたのは良かったと思います。個人的に言うとやっと点を取れたのでうれしかった」と本音を吐露した。

キックオフ前に2位広島が敗れ、試合前のミーティングで鬼木達監督はその事実を選手に伝え「自分たちが勝てば点差が広がる。こういうゲームを落とさなければ優勝できる」とはっぱをかけた。FW知念慶は「オニさんのゲキだと感じた」と振り返る。前半終了間際に、MF家長のゴールし、2-3で前半を折り返せたことも大きかった。

終わってみれば後半3発で5-3の逆転勝ち。MF中村憲剛は「前半の3失点はNG」と反省を口にした上で「自分たちが普段と違う形でスタートして、相手の出方も分からない中で予想以上に戸惑った。ただ、落ち着いてやるところ、丁寧にやるところを決めさえすればいけるとハーフタイムに話していた。アキ(家長)の2点目も大きかったし、何より3点目を学(斎藤)が決めたことが大きかった。あれでいけると思った」と振り返った。

斎藤のゴールの瞬間は、ベンチの選手も飛びだし祝福。スタンドからもこの日一番の歓声が上がった。中村は「待ちくたびれました、正直」と笑い「点を取った後の(斎藤の)キレを見れば、1点って大事なんだなと。どれだけ分かりやすいんだ、と(笑い)。1点取った後のプレーがいつもの斎藤学。これを川崎の斎藤学としてやっていただければ何の問題もない」と期待を寄せた。