清水エスパルスが、今季2度目の3連勝を飾った。

ホームで2位サンフレッチェ広島に2-0。日本代表FW北川航也(22)の4戦連発弾で勢いづき、後半2分にはFW鄭大世(34)が19試合ぶりの得点で突き放した。守備では、GK六反勇治(31)がビッグセーブを連発し、2試合ぶりの無失点。順位は9位から8位に浮上し、ACL出場圏ライン3位東京との勝ち点差も「3」になった。

オレンジに染まったアイスタが、「3度」も揺れた。清水は今月、日本代表に初招集されたFW北川のゴールで先制した。後半2分には、FW鄭が19試合ぶりにネットを揺らした。2位広島を全く寄せ付けない完勝。試合後恒例の「勝ちロコ」で、会場のボルテージは最高潮に達した。

鮮やかな一撃だった。前半19分、右CKからMF石毛秀樹(24)が放ったグラウンダークロスに北川が右足を合わせた。「うまくできた」。相手と対峙(たいじ)する味方の背後に隠れていたが、隙を突いてニアサイドにフリーで走り込んだ。相手の弱点を突くサインプレーからの4戦連発弾。清水にとっては9年ぶりの11試合連続得点になり、北川は「フリーで打てたのは、みんなのおかげです」と感謝を口にした。

後半2分には、ショートカウンターから石毛、北川がつないで、鄭が右足で決めた。7月以降、両足の太もも裏肉離れで約3カ月離脱したが、復帰戦で仕事を果たした。「エース」と呼ばれた昨季までは、見せなかったガッツポーズも披露。サポーターだけでなく、選手たちもこの1発を大いに喜び、鄭自身が「みんながこんな喜んでくれると思わなかった」と笑った。

今季2度目の3連勝で8位に浮上。9月の25節終了時で12位と残留争いをしていたチームは、直近5試合で4勝1敗。状況は大きく変わり、鄭は「ベクトルはACLに向いている」と言った。2得点に絡んだ石毛も「この時点でこの順位にいるのが不思議。『ここまで来たら』という思いはあります」。残り4試合。目標を「ACL出場圏」の3位以内に上方修正した清水は今、前進あるのみだ。【神谷亮磨】