YBCルヴァンカップ決勝(27日、埼玉スタジアム)に進出した、J1湘南ベルマーレと横浜F・マリノスの前日会見が26日、埼玉スタジアムで行われた。

湘南MF岡本拓也(26)は、10年にレンタル移籍元の浦和レッズでJリーグデビュー戦を戦った埼玉スタジアムのピッチで行われる決勝戦で、湘南のユニホームを着て戦うことに「ベルマーレの一員として、ベルマーレのユニホームを着て決勝のピッチに立つことは、想像していなかった」と感慨深げに口にした。

岡本は、浦和の下部組織でプレーしていた2010年(平22)に、下部組織にいながらJリーグの試合に出場できる2種登録選手としてトップチームに登録され、同3月18日のFC東京戦の後半27分にMF平川忠亮と途中交代でピッチに立ちJリーグデビュー。同年8月にはトップ昇格が内定したが、昇格した翌11年以降は定位置を奪えず、13年にJ2のV・ファーレン長崎に期限付き移籍。15年に浦和に復帰も、翌16年から当時J1の湘南に期限付き移籍した。同年、J2に降格も、翌17年にはJ2優勝と1年でのJ1復帰に貢献。シーズン終了後は、湘南への残留、浦和への復帰含め去就について思い悩んだ時期もあったが、湘南との期限付き移籍期間の延長を決断し残留した。

岡本は埼玉スタジアムで思い出に残っていることは? と聞かれ「やっぱり、デビュー戦で埼玉スタジアムのピッチに立ったのは、ホーム開幕戦だったので、忘れられないです。17歳の時…8年前でした。今回は、その時と雰囲気はちょっと違うかも知れないけれど、楽しみたい」と言い、笑みを浮かべた。

今年は、私生活でも節目の年となった。1月11日に一般女性との結婚を発表し、9月23日には第1子の長女が誕生。父親として、自らがプロとして第一歩を踏み出した埼玉スタジアムで、タイトルをかけて戦う。岡本は「小さい頃から見てきた、埼玉スタジアムで、こういう戦いが出来ることは、なかなかないことですし楽しみですね。家族も増えて、責任感も、より増していかないといけない。家族のためにも、ここで自分らしく戦ってタイトルを取りたい」と誓った。

浦和市(現さいたま市)出身だけに、決勝には浦和の下部組織時代から応援してくれたファン、関係者、指導者が足を運ぶ可能性も高い。「今まで指導してくれた方だったり、僕に関わってくれた方が見に来てくれると思うので、感謝の気持ちと成長した姿を見せられるようにしたい」と、かみしめるように口にした。【村上幸将】