J3のSC相模原の元日本代表GK川口能活(43)が14日、相模原市役所で引退会見を開いた。

川口は会見の最後に、この日63社、130人の報道陣が集まったことについて触れ、「今日は、本当に自分がプレーしてきた中で、最も喜ばしい日になりました。皆さん、ありがとうございました」と、25年のプロサッカー選手人生で最良の瞬間が引退会見だったと感謝し、涙した。

川口は会見前に、司会から会見場の写真を見せてもらい涙したと明かした。「会見の写真を撮っていただいた時、その写真を見て…実は、会見をする前に、泣いていたんです。これだけ多くの方が、来てくれるとは思っていませんでした」

その上で、川口は日本代表としてワールドカップ(W杯)に4大会、J1、海外でもプレーした輝かしいサッカーキャリアの中、16年からJ3の相模原でプレーした3シーズンこそ、今、ありのままの自分だと強調した。

川口 自分にとって、川口能活というのは…この1、2年なんです。自分が代表あるいはJ1でプレーしていた時の川口能活は、過去のものなんです。ですから…僕のためだけに、これだけの方々が集まってくれた。もしかしたら…自分がプレーしてきた中で、今日が最高に1番うれしい日です。プレーを続けてきて、正直、大変なこと、つらいことの方が多かったです。でも…今日、これだけの方が来ていただき、全て過去のものになりました。

川口にとって、12月2日に相模原ギオンスタジアムで行われ、引退セレモニーも予定されている、鹿児島ユナイテッドFCとの今季リーグ最終戦に全てを注ぐ覚悟を示した。

川口 あと、残り3試合…12月2日までですから、トレーニングは残り3試合あります。最後、プロの選手としてやるべきことを全うしたいですし、皆さんにしっかり恩返しできるように。ただ…最後の試合も、まだ出場確定ではありません。ただ、今まで通り、試合に向けての準備を、しっかりしたいと思います。

川口は、そう言い、頭を下げて会見場を後にした。【村上幸将】