ギラヴァンツ北九州は30日、元日本代表GK山岸範宏(40)の今季での現役引退を発表した。

埼玉出身の山岸は中京大から01年に浦和レッズへ加入。02年3月16日の清水エスパルス戦でJリーグデビュー。04年のチーム初のステージ優勝、06年のリーグ年間優勝に貢献。10年にはリーグ戦全試合フル出場を果たした。14年に西川周作の加入でポジションを奪われ、同年6月にモンテディオ山形に移籍。チーム初の天皇杯準優勝とJ1昇格に貢献。J1昇格プレーオフ準決勝のジュビロ磐田戦では後半ロスタイムに劇的なヘディングシュートで決勝ゴールを挙げた。17年から北九州でプレー。J1通算171試合、J2通算65試合、J3通算22試合出場で、J通算は258試合出場。今季は5試合に出場。日本代表には06年にオシム監督に招集され7試合ベンチ入りしたが、当時の正GKはやはり引退を表明した川口能活(現SC相模原)で出場機会はなかった。

山岸はクラブを通じ「中京大学を卒業し浦和レッズでプロのキャリアをスタートさせていただいてからモンテディオ山形、ギラヴァンツ北九州で過ごした18年間を振り返ると、思い通りの結果を掴めた経験よりも悔しい思いを味わったことの方が多かった様に思います。元から不器用だった自分ですが、その悔しさをエネルギーに変え、ただがむしゃらに努力を続けた結果が今の自分を創ってくれたと感じています。その中でも常に自分の背中から最も近い距離で熱い勇気とエネルギーを与え続けてくださったサポーターの方々の存在は何物にも変え難い大きな存在でした。その素晴らしいサポーターの方々と一緒に味わえた勝利の歓喜やタイトル獲得の達成感、時として苦しみや悔しさは私の中で一生の宝物になっていくと思います。また、今後につきましては現時点では何も決まってはおりませんが、自分がこの18年間で培った経験や得た財産を還元し、今後のゴールキーパーの育成、サッカーの発展に携わっていけるよう指導者としての道を歩み始めたいと考えております」とコメントした。

2日の本拠での最終節福島ユナイテッドFC戦終了後に引退セレモニーが行われる。