57度目の「みちのくダービー」となる天皇杯準決勝が今日5日、ユアテックスタジアム仙台(午後7時開始)で開催される。J2モンテディオ山形のエースFW阪野豊史(28)は今大会2戦連発中で、3戦連続J1勢撃破の中心。4日に天童市内で行った前日練習でも、14年以来2度目の決勝進出へ強い決意を示した。

エースストライカー阪野には、ベガルタ仙台ゴールを打ち破るイメージが出来ている。ミニゲームでもゴール前での役割を確認。クロスボールからのシュート練習では何度もネットを揺らした。「クロスからの得点は自分も得意。そこにチャンスがある」。今季J2では9得点で、チームも12位と不本意だった。「18年は『天皇杯で勝ったね』とか『優勝したね』と言えるシーズンにしたい。チームが勝つためにチャンスを決めたい」。得点への期待を、しっかり背負った。

「みちのくダービー」初経験だが、負けられない思いが詰まっている。「カテゴリーは自分たちが下。仙台を追いかけなきゃいけない存在。ライバル対決の中で、ここで勝って力の差がないことを証明しないと」。J1復帰を逃した悔しさも発奮材料につなげる。

仙台には戦友もいる。13、14年に浦和レッズで一緒にプレーしたMF関口訓充(32)とMF矢島慎也(24)。「同じピッチでやるのは久しぶり。お互いがどのくらい成長できたかを見せ合える舞台でもある」。中3日の相手に対し、中17日で迎える試合間隔に差はあるが「しっかり休んだから、良い準備は出来ています」と自信の表情を見せた。

決勝舞台の埼玉スタジアムは、ハノーバーMF原口元気(27)や浦和MF山田直輝(28)らと08年に高円宮杯全日本ユースを制した思い出の地。プロ生活を始めた地でもある。「もう1度あそこでプレーしたい。そのために、ダービーらしい激しい試合をしたい」。柏レイソル、FC東京、川崎フロンターレの次は、仙台に襲いかかる。【鎌田直秀】