J2アルビレックス新潟の19年シーズン新体制会見が10日、デンカビッグスワンスタジアムで行われた。

移籍組、新人ら新戦力13人が出席した。注目は韓国・慶南からの移籍で、11年以来8年ぶりに新潟に復帰する元韓国代表のMFチョ・ヨンチョル(29)だ。J1時代の10年に11得点を挙げるなど、中核として活躍した”レジェンド”が、今度はJ1昇格の切り札になる。

チョが新潟への思いを口にした。会見の序盤は韓国語で通訳を通していたが、終盤、報道陣のリクエストに応えて日本語で意欲を話した。J1時代の前回在籍時(09年~11年)、報道陣への対応、日本人選手との会話など、すべて日本語だった。

マイクを手に「(日本語は)前よりも出てこないのですが…」と照れ笑いしながらも、当時と変わらない流ちょうな言葉遣いで前置きする。そして「J1昇格は簡単ではないが、モチベーションができた。その目標を達成したい」。大宮に在籍した14年以来の日本での所属先が「いつも戻ってきたいと思っていた」という新潟。愛するチームが存在すべき舞台への復帰を、強く意識した。

攻撃的MF、FWとして得点を重ねた。10年はJリーグでの自己最多11得点を挙げた。09年の8位、10年の9位と1ケタ順位も経験。新潟の勢いがあった時期を知っている。3万人超えのスタジアムで大声援を浴びたときの喜びも、鮮やかに残っている。「新潟でプレーできると決まったときはうれしかった」。素直な感想は、そのまま決意につながった。

J2降格が決まった17年、J2で16位と苦戦した昨年の戦いぶりは常にチェックしていた。「しんどい様子を見ていた」。それだけに、今季は貢献したいと強く感じている。「以前(前回の新潟在籍時)はACL出場が目標だった。またそこを目指したい。そのためにJ1に昇格する」。新潟が、かつての輝きを取り戻すために、力を尽くす。【斎藤慎一郎】

◆チョ・ヨンチョル 1989年5月31日生まれ、韓国出身。蔚山鶴城高卒業後、07年に横浜FCに入団。U-23韓国代表として08年の北京五輪に出場。09年に新潟に移籍。12年に大宮、14年7月にカタールSC、15年に韓国・蔚山現代に移籍。18年は慶南でプレーした。U-17から各年代の韓国代表入りを果たし、10、11、13、15年は韓国代表に選出された。J1通算164試合出場25得点、J2通算24試合出場1得点。181センチ、75キロ。