開幕スタメン入りへ猛アピール中のベガルタ仙台新加入MF吉尾海夏(20)が、師匠をほうふつさせる左足キックで魅了した。本番へ向け仕上げに入る宮崎・延岡での2次キャンプ2日目、MF松下佳貴(24)らと居残りでFK練習に明け暮れた。渡辺晋監督(45)が見守る中、ゴール正面から7本中2本を決めるなど、あこがれの存在MF中村俊輔(40=磐田)さながらの軌道を描いて、キッカー候補に名乗りを上げた。

左足から放たれたボールが、仙台ユースから派遣されたGK小畑裕馬(17)の手をすり抜けゴールネットを揺らした。続けて放ったボールもダミーをかすめ、手の届かないゴール右角に吸い込まれた。好感触を得て練習を終えたレフティーは「決まりはしましたがJリーグトップクラスのGKだったら止められていた。2本目はいい感じでした」と手応えを口にした。

横浜ユース在籍時に、居残りでFK練習するMF中村の姿を遠めから盗み見て育った。それだけに左足に込める思いは強い。居合わせた先輩MF関口訓充(33)から「よっ、俊さんの後継者!」といじられると、「練習しづらくなりますね」と苦笑いしながら、ため息をついた。気を取り直し「開幕スタメンに入れるように頑張ります」。今日2日は大分との練習試合が行われる。本番で結果を残し、新天地で飛躍してみせる。【下田雄一】