J2アルビレックス新潟は10日、キャンプ地の高知・春野総合運動公園陸上競技場でJ3カターレ富山と練習試合を行う。

FW田中達也(36)が開幕に向けた試運転をする。高知キャンプは故障もなく、練習試合も1本目から出場するなど順調に消化。富山戦も45分以上の出場が見込まれる。チームのフィールドプレーヤーでは最年長のベテランが、仕上がりの良さを実戦で見せる。

   ◇   ◇   ◇

切れのある動きで田中が存在感を漂わせた。富山戦に備え、チームは8日の練習から4-1-4-1のフォーメーションを確認してきた。この日は攻撃パターンをチェック。田中はインサイドハーフに入り、攻守に豊富な運動量を見せた。マイボールになった瞬間、前線に走り、守備では果敢にプレスをかける。

「富山戦ではいろいろとチャレンジしたい」。新潟はこれまで4-4-2の布陣が中心だった。片渕浩一郎監督(43)は「オプションの1つとして、今やっておく」と富山戦で新しいシステムを試す。田中も「今のうちにミスをしておいた方がいい」と大胆にプレーすることを決めた。「戦術的なこともあるので」と具体的に狙う動きは心に秘めたが、「運動量を増やしたい」と、あらゆる場面に絡んで持ち味を発揮するつもりでいる。

高知キャンプは順調にすごしている。ここまで故障やオーバーワークでの別メニューはない。J3カマタマーレ讃岐、高知ユナイテッドとの練習試合で1本目の45分間プレーするなど試合感覚も磨いている。岡山市内に遠征して行った、7日のファジアーノ岡山との練習試合は片渕監督の指示でGK野沢洋輔(39)MF小川佳純(34)FW矢野貴章(34)とともに帯同しなかったが、その分、じっくり調整もできた。

今季の個人テーマは「開幕から試合に絡むこと」。昨季は21節までは途中出場で22節からスタメンに定着。フル出場も3試合あった。ベテラン健在を、今季は年間を通して表現する。練習試合はそのための準備。「もちろん結果にはこだわる」。勝ちを意識することで調整の質も上がる。【斎藤慎一郎】