メルボルン・ビクトリーMF本田圭佑(32)が、20年東京オリンピック(五輪)出場への変わらぬ情熱を口にした。「最後のW杯」と位置づけた昨年6月のロシア大会はベスト16で終了。新たな挑戦のゴールとして、自国で行われるスポーツの祭典をあらためて掲げた。12日にアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)1次リーグ第2戦(Eスタ)で広島と対戦する。

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東京五輪開幕までちょうど500日となる12日を前に、本田があらためて五輪への意欲を口にした。「ゴールというのは、何度も話しているように五輪」。現在チームはAリーグ3位。もともとFWの本田は、現チームでは中盤の要として攻守の組み立てを担う。「手探りの部分もあるけど、手応えと成長を感じながら」と、新たな可能性を探っている。

初めて挑戦の意思を口にしたのはワールドカップ(W杯)ロシア大会後の18年8月2日。当時所属していたメキシコの強豪パチューカから、メルボルン・ビクトリーへ移籍した。「W杯だけを目指してきた道とは、また違う道を。日々の練習からトライしている」。長くゴールとして貫いてきたのがW杯優勝。そこに替わるのが東京五輪出場であり、揺らぐことはない。

A代表と兼任する森保監督は「メダルを取ろうと思ったら(五輪世代も)A代表で活躍している選手でないと難しい」と話すなど、現状での戦力不足も指摘している。そこで頼れるのが3枠のオーバーエージだ。DF長友やMF香川ら戦友が手を挙げ、ライバルは多い。本田自身が「Jリーグを追いつけ追い越せという立ち位置」と話すAリーグからアピールは、広島戦で存在感を示すことだ。

くしくもこの日は、8年前に東日本大震災が起きた3月11日。自身のツイッターでも被災地を思うメッセージを発した。「スポーツという側面からですが、まだ傷が癒えていない人に少しでもいい影響を与えられば、選手冥利(みょうり)に尽きます。いい試合をしたい」。見る人を勇気づけるプレーで、東京五輪へ突き進む。【岡崎悠利】