北海道コンサドーレ札幌はJ2V・ファーレン長崎に0-0と引き分け、ルヴァン杯今季初勝利はならなかった。2連勝と好調のリーグ戦とは打って変わって、J2チーム相手のスコアレスドロー。ミハイロ・ペトロビッチ監督(61)は「監督はクビにならないといけない」と厳しい評価。チームは勝ち点2でA組3位と順位を下げた。今後は新加入のFW岩崎悠人(21)、高卒ルーキー壇崎竜孔(18)ら若手の底上げを図っていく。

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札幌のペトロビッチ監督から、厳しい言葉が次々と飛び出した。「私が札幌に来てから1番良くない試合」。「指導してる監督はクビにならないといけない」。格下のJ2チーム相手にスコアレスドロー。攻撃的なスタイルの指揮官にとって、最も嫌う試合内容となってしまった。

シュート数は今季の公式戦5試合で最少の7本だった。特に前半は長崎に主導権を握られ、攻撃陣はペナルティーエリア内に進入できない。左シャドーに入ったMF岩崎は「コンビネーションでうまくいかず、チーム全体で悪循環になった」。ルーキーの檀崎も「個人として課題が多く残る試合だった」と唇をかんだ。どちらも公式戦2戦目にして改めて「ミシャ・サッカー」の難しさを口にした。

独特のシステムに戸惑う新加入選手も多いが、FWジェイは言う。昨季、期限付き移籍で活躍したMF三好康児(現横浜)の名前を挙げて「彼も最初は難しかったかもしれないけど、シーズンを通して戦いどんどんうまくなった」。期待されている若手に対し「経験がある自分やシンジ(小野)で責任持って手伝っていかないといけない」。チーム全体のレベルアップを図るべく、若手をけん引していく気持ちを示した。

リズムをつかんだ後半は全体でシュート5本を放ちゴールに襲いかかった。「ハマれば相手を崩せる。もっと考えてプレーしないといけない。追求していきたい」と岩崎。ベテランが若手を引っ張り底上げされれば、札幌はもっと強くなる。【西塚祐司】