浦和レッズの元日本代表DF鈴木大輔(29)が“新元号初弾”を決めた。早大との練習試合に先発し、プレー中の午前11時41分に「令和」が発表された。その後のタイミングとなった正午すぎの後半8分、MF山田の右CKを鈴木がヘディングで押し込んだ。

当然、ゲーム中で知るよしはなかったが、フル出場した後に伝え聞くと「本当ですか。持ってますね。特別なものを感じます」と、きれいにコメント。「新元号とともに心機一転、頑張ります。新しい1歩を踏み出したい。そういえば、この後、自宅の引っ越しがあるんです。心機一転…うれしいです」と笑顔で“令和1号”を振り返った。

とはいえ、改元=施行は5月1日であることも心得ている。正式には5月3日のジュビロ磐田戦(埼玉)が最初のチャンス。今冬に柏レイソルから加入後、定位置奪取をうかがっている立場だが、この日の得点と完封でアピール。前節FC東京戦はベンチ外の悔しさを味わっただけに「新元号じゃないですけど、まさに再スタートという気持ち。これから、またリーグ戦とACLの連戦が始まる。必ず自分に出番は来ると思っているし、やれるとも思っている。その時に向けて準備したい。(5月3日に)本当の第1号を取れる気もしてきたので、どんどんコンディションを上げてチームに貢献していくだけ」と闘志を燃やした。

鈴木は平成2年(1990年)の生まれ。1月29日が誕生日で、ほぼ元年から平成を生きてきた。平成24年の2012年には、ロンドンオリンピック(五輪)に日本の正センターバックとして出場。オーバーエージ枠の吉田麻也とコンビを組み、44年ぶりのベスト4進出に貢献した。

その後はスペイン2部タラゴナでプレーするなど活躍の幅を世界に広げ、A代表復帰を目指している。今季から浦和に活躍の場を移すとともに、自ら動画メディア「HISTORIA」を立ち上げるなど、平成から令和に移り変わる20代ラストイヤーを精力的に過ごしている。【木下淳】