リーグ戦3連敗中の北海道コンサドーレ札幌が湘南ベルマーレを4-1で下し、1カ月ぶりの公式戦白星を飾った。前半40分に青森山田で高校日本一になったルーキーMF壇崎竜孔(18)がプロ1号を決めると、FW鈴木武蔵(25)も日本代表戦後初ゴールを含むハットトリックで圧倒した。6日のリーグ戦大分トリニータ戦のスタメン4人を中3日で先発起用。結果にこだわり、3月9日リーグ戦清水エスパルス戦以来の勝ち星を挙げた。

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18歳のルーキーが待望の一発を決めた。1-0の前半40分。FW鈴木からの横パスを受けたMF檀崎が落ち着いて右足でゴールに流し込んだ。今年1月の全国高校サッカー選手権で優勝して注目されての入団。公式戦3試合目での初ゴールだった。両手を広げると、高くジャンプ。大きく左腕を振り上げ、喜びを爆発させた。

結果にこだわった指揮官のタクトに応えた。チームはリーグ戦3連敗中と苦しい状況。相手湘南のスタメンには、リーグ戦前節ジュビロ磐田戦のスタメンはいない。だがミハイロ・ペトロビッチ監督(61)はスタメンだったFW鈴木、MF宮沢、菅、DF福森の4人を中3日で再びスタートで送り出した。ボランチ起用のMF宮沢は中盤で要所を締め、DF福森は精度の高いパスでボールを配球。安定感のある後ろに支えられ、壇崎ら若手が伸び伸びとゴールに向かった。

気が引き締まった。9日の全体練習終了後は34歳のベテランGK菅野孝憲がピッチにメンバー約20人を集めて車座になり約7分間、話し合った。若手に「もっと緊張感を持ってやろう」とメッセージ。今季の札幌では珍しい自主ミーティングで気持ちを高めた。

主力メンバーと若手が融合し、モヤモヤを吹き飛ばす4発で公式戦1ヵ月ぶりの勝利となった。嫌な流れを断ち切って、次はリーグ戦でアウェー、セレッソ大阪戦(13日)に臨む。「悲観したところで前向きにはならない。一つになって全力で戦う」。そう話して挑んだ名将ペトロビッチ監督が久しぶりに満足そうな表情を浮かべた。【西塚祐司】