最下位のサガン鳥栖が金明輝(キム・ミョンヒ)新監督(38)の“鬼采配”で7試合ぶりの今季2勝目を挙げた。ホーム・ガンバ大阪戦で3-1の快勝。不動の元スペイン代表FWフェルナンドトーレスを先発から外す大胆采配で、開幕から10試合でわずか1得点だった攻撃が機能した。7日に途中就任した同監督はJ1初戦で結果を出した。

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金明輝新監督が勝利のために鬼になった。ここまでけがの影響で2試合欠場したが、6試合に先発したFWフェルナンドトーレスを先発から外した。前節まで10試合で総得点がわずか1。J1ワーストに並ぶ6試合連続無得点の現実打破があった。結果は大量3得点で7試合ぶりの勝利を奪い、連敗は5で止めた。

後半40分から途中出場したとはいえ、エースFWを外した理由を問われた新監督は「勝利、得点も取れていなかった部分で、彼自身欲求不満がたまっていた状況だった」と精神的な要因を挙げた。代役で今季2度目の先発豊田が、PKで2季ぶりのゴールを挙げるなど采配が当たった。

カレーラス監督が事実上の解任となり、金明輝監督が7日に就任。「相手主導ではなく、攻守に自分たちからアクションを起こしたい」と理想を掲げ、実際にG大阪を圧倒。「何よりもゴールを取れて勝てたことがうれしい」。昨季も終盤5試合で指揮を執り、3勝2分けでJ1残留に導いた手腕は確かだった。

フェルナンドトーレスも「やることが明確にシンプルになって、今日はうまく機能した」と前向きな表情。新監督が戦力を使いこなし、貴重な今季2勝目で再スタートを切った。【菊川光一】