浦和の大槻毅新監督(46)が29日、埼玉・大原サッカー場で初練習と就任会見を行った。前日28日のオズワルド・オリベイラ監督(68)契約解除に伴い、正式昇格。ヘッドコーチだった3月以来の現場で「リーグとACLの2冠」「組長スタイル封印」を宣言し、クラブからは「世代交代」を求められた。立花洋一社長(59)と中村修三GM(60)も取材に応じ、3季連続の監督交代劇を説明した。

現場から離れていた3月以降、初めて練習場を訪れたという大槻新監督は「久々に選手の顔を見て、危機感を持っていますか? 持たざるを得ませんよね?」と訓示した。続けて「心がざわついても落ち着いて準備し、中に秘めた思いを今日から表現してほしい」。6月1日の初陣、川崎F戦(等々力)へ集中を高め、情報も統制すべく3日間の練習すべて非公開とした。

昨春の暫定監督時代は黒スーツにオールバックの髪形で「組長」と愛された。ところが「当時は誰も僕のことを知らなかったので」と自他に気合を入れる手段だったが「今は選手に鼻で笑われるだけ」と封印。今季はジャージー姿にサラサラヘアでベンチに入る可能性も示唆した。目標はリーグとACLの2冠で「変わらない。選手にも話した。1試合で勝ち点7も8も取れないので1試合ずつ」積み重ねていく。

3カ月弱の海外担当ではオランダ1部フェイエノールトとの提携をまとめるなど尽力。監督としては「世代交代」を求められた。30代が大半の編成の中、MF柴戸やFW杉本ら20代を競争に組み込む方針だ。オリベイラ監督とともに去るブラジル人2コーチや池田伸康コーチの代わりには、ユースから「大槻組」の上野優作監督と工藤輝央コーチを昇格させた。【木下淳】