ベガルタ仙台が開幕から続いていたアウェー7連敗を止めた。MF道渕諒平(25)のリーグ戦初ゴールとなるヘディング弾で、松本山雅FCに1-0で勝利。

今季リーグ初の連勝を飾った。DFマテが鉄壁の守備を見せ、松本の大型FWペレイラをシャットアウト。守備陣が第6節の鳥栖戦以来9試合ぶりに完封。待望の敵地初勝利をつかみ、13位に浮上した。

上下動が持ち味のパワフルな男が、前半36分に試合を動かした。DF永戸が左サイドからピンポイントクロスを送ると、フリーの道渕が頭で合わせた。今日16日が誕生日で、1日早いバースデー弾で自らを祝った。道渕は「永戸が持った瞬間、いいボールが来ると思った。コースはイメージ通り。移籍してきて貢献したかった。出場できてないときもトレーニングをしてきた結果が出せた」と納得の表情だった。

前節1日の名古屋戦後、OBの平瀬氏が道渕について「無尽蔵でパワフル。以前、仙台に所属していた磐田MF太田吉彰(36)に似ていて面白い」とたたえた。太田は東日本大震災直後の川崎F戦で劇的な同点ゴールを決めている。当時、高校生だった道渕は「ベガルタのゴールの中で一番感動的で記憶に残っているゴール」と振り返る。敵地連敗を止めた決勝弾はサポーターの記憶に残るはずだ。

苦しんだ「アウェーの呪い」がついに解けた。試合後、渡辺監督は「ホッとしている。雨の中、サポーターがゴール裏を埋めてくれた。お持たせして申し訳ない。後半の入りが良かったので、とどめを刺したかった」と総括した。緑色に染まった敵地で貴重な1勝を手に入れた。【山田愛斗】