鹿島が広島に2-3で敗れて2戦合計3-3となったが、アウェーゴール数で上回り、一番乗りで準々決勝に進んだ。MF土居聖真(27)が2得点した。

内容は低調ながらも2試合180分の戦いを制し、勝ち上がる「鹿島らしさ」を見せつけた。広島はGK中林洋次が退場する中、ラストワンプレーでPKを決めて勝利したが、クラブ史上初の8強入りはならなかった。

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激闘を制したのは鹿島だった。8強入りの立役者は2得点のMF土居。前半33分にこぼれ球を胸トラップで収めてハーフボレーを決めると、後半29分には相手GKと1対1のチャンスを作りレッドカードを誘った。後半44分には無人のゴールにループシュートを流し込んでこの日2点目。前日24日に48歳の誕生日を迎えた父・通孝(みちたか)さん、23日に47歳の誕生日を迎えた大岩監督にささげるゴールに「1点ずつ、ということで(笑い)」。父からはいつも「プレゼントはいらない」と言われているが、「良いプレゼントができたかな」と笑みを浮かべた。

前半4分にDFチョン・スンヒョンが負傷交代するアクシデントに見舞われたとはいえ、1試合3失点は今季最多タイ。90分で敗れはしたが、180分の戦いをしたたかに制した。大岩監督は「次に進めることだけが今日の評価」と苦い表情を浮かべたが、土居は「去年のACL、上海上港戦(第1戦ホーム3○1、第2戦アウェー1●2)もそうだった。『それがあったから優勝した』とまた言えるように、そこは胸を張り、顔を上げていきたい」と前を向いた。【杉山理紗】