ヴィッセル神戸とバルセロナが対戦する「楽天カップ」の前日会見が26日、試合会場のノエスタで行われた。神戸はバルセロナ一筋で黄金時代を築いたMFアンドレス・イニエスタ(35)が出席し、古巣との初対戦に必勝を誓った。FWビジャ、MFサンペールを含めた同クラブ出身3人も先発の見込みで真剣勝負を挑む。鹿島からバルセロナに今夏移籍したMF安部裕葵(20)は欠場する。

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バルセロナの黄金期を築いたレジェンドは特別な感慨を隠さなかった。神戸MFイニエスタは公式会見にフィンク監督と出席。「私にとっても、神戸にとってもすべてを尽くすべき試合。バルサは特別なチーム。試合ができるのは非常に光栄。できるだけの努力をする」と勝利を誓った。

隣に座ったバルセロナMFブスケツから「アンドレス(イニエスタ)がピッチに立つ姿を見るだけで大きな意味を持つ。非常に大きな存在」と最大限の敬意を示された。バルセロナの下部組織出身でトップデビューから16年在籍したイニエスタは、スペインリーグ8度、欧州CL4度優勝など多くの功績を残し、主将としてもけん引した。

昨年7月に神戸に移籍した英雄は「バルサとの試合は神戸だけでなく、日本のファンにとって大きなこと。喜んでほしい」と抱負を語る。一方でJリーグでは今季ここまで14試合3得点の成績で、クラブも3連敗中で15位に低迷。「魅力的なサッカーをしたい」と掲げるが現実は厳しい。

古巣との初対戦は“原点”を取り戻す機会にもなる。「(目標達成には)長いプロセスが必要。自分のレベルの中でできる限りの事をして、輝ける結果を得られるように励んでいる」。神戸に輝きを取り戻すためにもイニエスタはバルセロナに立ち向かう。【実藤健一】