アルビレックス新潟は21日、第29節金沢戦(24日、デンカビッグスワンスタジアム)に向けた練習を聖籠町のクラブハウス練習場で行った。

冒頭のウオーミングアップのみを公開し、非公開で紅白戦を行った模様。MFシルビーニョ(29)が16試合ぶり先発と来日初得点を目指している。ここ2試合続けて途中出場し、調子を上げてきた。金沢戦はスタートからチームを活性化させる意気込みでいる。

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「コンディションはいい」。シルビーニョは好調さを実感していた。実戦形式では「ボランチと同じ位置に戻らないようにし、なるべくFWの近くにいるように」という吉永一明監督(51)のアドバイスを頭に入れてプレーしたという。

攻撃的中盤のMF高木善朗(26)が警告累積のため金沢戦と続く、柏戦で出場停止。ゴール付近でのチャンスメークやシュートに絡むプレーが身上のシルビーニョはスタメンをアピールする。今季初来日し、ここまで出場は13試合。スタメンは第13節アウェー長崎戦(5月11日)が最後。第17節岐阜戦から第26節徳島戦はベンチ登録からも外れた。山形、岡山と2戦連続で後半に途中出場が続いている今、「出られない間、耐えることを覚えた。チャンスを逃したくない」。

山形、岡山戦と新潟は2試合とも無得点で敗れた。シルビーニョは「負けている展開で入る難しさを感じた」。それでも岡山戦ではファーストプレーで相手を崩しクロスを入れた。吉永監督が「ああいうプレーは脅威になる」と認めるように1発でプラスの局面を作り出す力を持っている。

岡山戦は長女ミレーラちゃん(8)が観戦に訪れた。ブラジルの自宅には選手入場時に一緒にピッチに入った時の写真が飾られている。新潟ではまだ撮っていないだけに「そこに加えたい」と言う。そして「娘にゴールをせがまれている」。ゴールには迫るがネットを揺らす瞬間は生み出していない。「決めたい」。来日初得点でチームを勝利に導く。その場面を愛娘にみせることを誓った。【斎藤慎一郎】