J2アルビレックス新潟はツエーゲン金沢に2-1で勝った。FW田中達也(36)が全2得点を上げた。

0-0の後半2分、右CKを中央のFW矢野貴章(35)が頭で落とし、浮き球をファーサイドからヘッドで押し込み先制。1-0の同26分にはMFチョヨンチョル(30)が頭で折り返したボールをそのまま左足のダイレクトボレーを決めて突き放した。

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これがベテランの味。経験豊富なFW田中が、リーグ戦3連敗中のチームの起爆剤になる。24日の第29節ホーム戦では2-3で敗れている相手に2得点。強い存在感をピッチで放った。0-0の後半2分。右CKからFW矢野の頭を経て、ファーサイドでヘディングシュートを決めた。「何となく(あの位置にいた)」と話したが、まさにベテランの読み。「(矢野)貴章が競り勝つのが見えた。それに対して準備していた」と独自のカンを働かせてポジションを取っていた。

今季のリーグ第1号ゴールを決めていたのが、FW田中だった。3月3日の第2節アウェー千葉戦(4-1)で決めたミドル弾だ。ところが、最近はサブメンバーに押しやられている。ピッチ登場も、6月15日の栃木戦の途中出場以来ない。「1日1日、戦わなければならない。それが自分の立ち位置」と現在は境遇打開に奮闘中。2ゴールはねその取り組みの現れだ。

吉永一明監督(51)は「点を取るところに顔を出して足を振れば…。技術のある選手なので当然の結果」と田中を評した。ベテランFWが、連敗中のチームの「救世主」になる可能性は大だ。【涌井幹雄】