J1ベガルタ仙台は31日、アウェーでサガン鳥栖と対戦する。勝ち点4差の15位と16位の直接対決へ向け、29日は仙台市内で調整した。相手は元スペイン代表FWトーレスが前節で引退した。FWジャーメイン良(24)は世界的ストライカーの動きを動画で研究、DFシマオ・マテ(31)はスペイン1部リーグで対戦とともに縁がある。“神の子”と世界から愛された男との対戦はならなかったが、残留争い脱出へ勝ち点3を奪う。

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韋駄天(いだてん)ストライカーのジャーメインは今季、ルヴァン杯含む鳥栖戦2試合で3ゴールと波に乗る。「イメージは悪くないので追い風にしたい。1対1で前を向いたときは仕掛けてクロスやシュートまでいきたい」。

リーグ戦12試合ぶりの先発となった前節の湘南戦では、4-4-2の左サイドハーフとして初めてプレーした。「ゲーム中に(相手の)背後を取れたので、どのポジションで出てもいい印象がある」。守備のポジショニングで怪しい部分があったとしつつも、「対人はとにかく抜かれないこと。はがされそうになっても武器のスピードでついていき、(左サイドバックの)永戸を楽にさせられるように意識した」。引退したトーレスについては「ゴール前の駆け引きがうまい選手。ヨーロッパでプレーしているときから映像を見ていた」と明かした。

マテは湘南戦のように、強度の高い難しい試合を予想する。「球際で勝つことと、セカンドボール回収がポイント。まずは失点せず少ないチャンスで得点したい」と意気込む。スペイン1部レバンテに所属していた3年前の5月、トーレス擁する強豪Aマドリードと対戦。世界的ストライカーに得点を許したが2-1で勝利し、下克上を果たした。「(トーレスは)スペインだけでなく世界のサッカー史に名を刻んだレジェンド」とたたえた。

仙台にとって鳥栖は、4月6日に今季リーグ戦初勝利を挙げた相手。アウェーでも勝利し、同一カードでの「2戦2勝」を目指す。【山田愛斗】