北海道コンサドーレ札幌がヴィッセル神戸に3-2で粘り勝った。前半43分に先制されたが、その2分後に日本代表のMF鈴木武蔵(25)が頭で同点ゴール。後半7分のFWジェイ(37)の勝ち越しゴール後に同点に追いつかれたが、同22分に主将MF宮沢裕樹(30)の今季初ゴールで勝ち越した。リーグ上位の攻撃力をもつ両雄の対決も、札幌はしっかりと守りから入るゲームプランが功を奏した。これで4戦負けなしで勝ち点39とし、6位に浮上した。

後半22分だった。DF福森が左CKをニアサイドに鋭く蹴り込み、走り込んだ宮沢が頭で流し込んだ。神戸に2-2の同点に追いつかれた、わずか3分後の一撃だった。「(自分の責任の)失点を取り返したかった。自分の役目を果たすことができた」。自身今季初ゴールは値千金の勝ち越し弾になった。

ともに攻撃力を持ち味とするチームの対戦。前節まで神戸はリーグトップタイの42得点、札幌も40得点で、シュート数も札幌がリーグ3位、神戸が4位と拮抗(きっこう)していた。札幌は試合開始から、流動的に動く神戸の2トップ、2シャドーをケアして、相手攻撃の芽を丁寧に摘み取りチャンスを待った。ミハイロ・ペトロビッチ監督(61)も「相手は球の動かし方から1枚上手。難しいゲームは覚悟していた」と我慢の戦いだった。

前半43分、警戒していた2トップの一角、FW田中に先制点を決められたが、その2分後にMFチャナティップ、FWジェイが立て続けにシュートを放ち、相手GKがはじいたボールをMF鈴木が頭で押し込んだ。1-1の後半7分には、右サイドからの福森のCKをファーサイドで折り返し、ゴール前に詰めていたジェイが体ごと押し込んだ。最後は粘り勝ちし、指揮官は「どちらが勝ってもおかしくない。少しだけ札幌に運が味方した。選手たちが頑張ってつかんだ勝ち点3だ」とたたえた。

両チームの18年度チーム人件費は札幌の15億200万円に対し、神戸は44億7700万円と約3倍。今季は更に差が開いたのは確実で、クラブ規模の小さい札幌が今季は対神戸2戦全勝とした。宮沢は言った。「守備が安定できれば勝てる。勝ち切れたことが今後の自信になる」。これで直近4戦は2勝2分けの負けなし。粘って手にした白星は、上位進出に向けた弾みになる。