清水エスパルスはまたしても惨敗した。鹿島アントラーズに0-4で敗れ、最近3戦勝ちなし(1分け2敗)となった。前半にカウンターから失点。PKで追加点を許して迎えた後半は、チャンスを決めきれず、さらに2失点した。2週間前、札幌にクラブワースト8失点を喫したホームで、この日は4失点。浮上のきっかけをつかめず、J2とのプレーオフに回る16位の鳥栖との勝ち点差は2になった。

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一瞬の隙を突かれて許した失点が、重くのしかかった。清水は前半15分、敵陣からロングパスを通されると、DF吉本一謙(かずのり、31)がバランスを崩して対応が遅れた。カバリングに入ったDF二見宏志(27)もかわされ、失点。集中していた守備が1本のパスだけで崩れた。同34分にはPKで追加点を献上。この日も連続失点する「悪癖」は改善されなかった。

後半もカウンターからチャンスは作った。篠田善之監督(48)は「後半はリスクを冒した結果」と悲観しなかったが、相手との差は歴然だった。カウンターから確実に決めきった鹿島に対し、清水はゴール前で精彩を欠き、無得点。8月28日のACL準々決勝第1戦から中3日で臨み、スタメン6人を変更した「1・5軍」の相手にも勝てなかった。

チームは直近のリーグ3試合で14失点。ホームでは再び悲劇に見舞われた。指揮官は「また悔しい敗戦になってしまった」。8月17日の札幌戦でクラブワーストの8失点。この日は半分の4失点で抑えるのが精いっぱいで、再び守備が崩壊してもおかしくない状況だった。

主将のMF竹内涼(28)も「11人の守り方が良くないから失点につながる。責任を感じているし、改善した姿を次の試合で見せないといけない」と話し、険しい表情を見せた。残り9試合で、J2とのプレーオフに回る16位の鳥栖との勝ち点差は、わずか「2」。上を見て戦える余裕はなくなってきた。【神谷亮磨】