J2アルビレックス新潟は10日、クラブハウス隣接ピッチで次節ホーム東京V戦に向けて練習を再開した。警告累積で出場停止だったボランチのMFカウエ(30)が、次節から戦列復帰。ピッチに不在だった7日の前節ホーム千葉戦は、5試合ぶりに白星を獲得しただけに、競争心を胸に秘めて今週の練習に奮闘する。

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MFカウエが身に包んだブルーの練習用ユニホームが、大量の汗で色が濃くなった。この日のメインメニューは、8対8のミニゲーム。むき出しの両腕は汗で光り、短パンは汗を吸って太ももにピタリ、張りついた。「ここ2試合(柏、千葉戦)で勝ち点を(4点)積み上げた。次の試合も、勝ち点を取りたい」。もちろん、次のゲームは先発のピッチに立つつもり。勝ち点獲得にも貢献するつもりだった。

前節千葉戦はスタンドで観戦した。前半は攻撃的にゲームを主導し、後半は一転して押し込まれる展開の試合(2-1)だった。カウエは「後半は失点のシーンを含めて全体を修正しなければならない」と守備面の改善を口にした。前節は自分のポジションにMF高木善朗(26)が入り、主導した前半の攻撃の起点になった。「いい動きをしていた。チームとして機能していた」。努めて冷静な口調でライバルを評したが、危機感がないハズはない。

昨季の8月15日に、カウエは大宮から期限付き移籍してきた。その約10日後。8月26日の第30節ホーム福岡戦(8月26日)で先発出場を果たすと、今季の第30節アウェー柏戦(8月31日)までシーズンを挟んで43試合連続で先発起用されてきた。チームに欠くことのできないボランチは、中盤の底でボールの中継点になってきた。「残り11試合で勝ち点を積み上げることが、自分たちの順位を上げるために必要」と話したカウエはこう続けた。「(次節で起用されるかどうかは)監督がすべて決めること」。言葉に、中心選手のプライドが詰まっていた。 【涌井幹雄】