ガンバ大阪がホーム北海道コンサドーレ札幌戦で今季最多5発の大勝を収め、J1通算400勝を飾った。後半12分にMF倉田秋(30)が先制点。直後にはFW宇佐美貴史(27)が今夏の復帰後、本拠地初ゴールで大勝の流れを作った。鹿島、横浜、浦和に続いて4クラブ目の節目勝利で暫定11位に浮上し、残留争いで1歩前進した。今節の残りは5日に5試合、6日に3試合が行われる。

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G大阪節目の400勝はド派手に飾った。前半7分にアデミウソンがPK失敗。イヤな流れを後半12分に倉田が打ち破ると、次々にゴールをたたき込んだ。

2点目は後半16分だった。倉田、アデミウソンとつなぎ、最後に宇佐美が決めた。復帰戦となった今夏の名古屋戦以来8試合ぶり、本拠地では初めて。「2点目が大事と思っていたし、勢いづけることができた」。宮本監督も「(ホームでのゴールに)本人も肩の荷が下りたはず」と言った。

「長らく(得点を)取れなかったんでチームに迷惑をかけてた。我慢して使ってくれて、何とか返したいと思っていた」という宇佐美にとって、苦しい時間が続いた。特に前節大阪ダービーでの1-3の完敗。「特別に悔しかった」。練習で必死に前を向いた。「切り替えるのは難しかったが、あの負けがいいリアクションにつながったと思う」。抱いた悔しさの共有が、5-0のスコアに表れた。

J1通算400勝。わずか4クラブ目の勲章は、栄光の歴史を示す。優勝争いの常連が、最近では今季も含めて3季連続の残留争い。倉田は400勝の問いに「そんなこと言ってられない。ギリギリなんで」と表情を緩めなかった。

14年度の3冠獲得に貢献した宇佐美も「またタイトルを」と強いガンバを取り戻すために帰ってきた。「ゴールに向かって前に前に向かっていくプレーを全員がやれた。自分らしいプレーができたし、いいリズムでいけた」。この先に札幌とのルヴァン杯準決勝(9、13日)が待つ。J1残留はもちろん、唯一可能性があるタイトルへ、宇佐美がけん引する。【実藤健一】

 

◆ガンバ大阪 関西では93年Jリーグ元年から唯一加わった老舗クラブ。天皇杯は前身松下電器時代を含めて5度日本一に、J1は05、14年に、カップ戦は07、14年に各2度優勝(14年度は3冠)。08年にACL優勝、クラブW杯にも出場した。GAMBAはイタリア語で「脚」を意味し、日本語の「頑張る」の響きにも通じる。本拠地は万博から16年に同じ万博公園内のパナスタへ移転。

 

◆G大阪の通算成績 今節を終えてJ1通算400勝131分け347敗。Jリーグは今季で27年目に突入も、G大阪は13年にJ2で戦い、さらに近年の低迷で鹿島の506勝から大きく引き離されている。